人工呼吸器の回路の吸気側と呼気側の回路接続間違いで医療安全情報 日本医療機能評価機構
公益財団法人日本医療機能評価機構は、11月15日、医療事故情報収集等事業
医療安全情報No.204「人工呼吸器の回路の吸気側と呼気側の回路接続間違い」を提供しました。
人工呼吸器の回路の吸気側と呼気側を逆に接続した事例が報告されています。2019年1月1日~2023年9月30日に8件の事例が報告されています。この情報は、第72回報告書「再発・類似事例の分析」で取り上げた内容をもとに作成しました。
<人工呼吸器の回路の吸気側と呼気側の回路接続間違い>
事例1:NICUで、臨床工学技士が人工呼吸器の回路を組み立て、看護師が人工呼吸器をベッドサイドに準備した。帝王切開で生まれた患児が入室後、医師は人工呼吸管理を開始した。翌日、一酸化窒素を投与したが、呼気中の一酸化窒素濃度が上昇せず、酸素化の改善を認めなかった。臨床工学技士確認し、吸気側と呼気側の回路が逆に接続されていることに気付いた。
事例2:患児は、人工呼吸管理中であった。人工呼吸器の加温加湿器の温度低下のアラームが鳴ったため確認したところ、口元の温度は34度を示していた。医師と看護師は、温度センサーを交換してみたが温度は上昇しなかった。臨床工学技士が確認したところ、吸気側と呼気側の回路が逆に接続されており、加温・加湿されていないことが分かった。
<事例が発生した医療機関の取り組み>
・人工呼吸器の回路の接続口に「吸気口」と「呼気口」のテープを貼る。
・人工呼吸器の回路を患者に接続する前に、吸気側と呼気側の回路をたどって正しく組み立てられていることを確認する。
2023/11/16(木) 15:56