生薬の放射性物質検査の調査結果第三報公表 厚生労働省
厚生労働省は、9月13日、「漢方生薬製剤に用いる原料生薬の放射性物質検査の調査結果」(第三報)を公表しました。
日本製薬団体連合会(日薬連)においては、その会員企業が平成23年3月11日から10月31日までに17都県(食品の放射性物質に関する検査等が指示されている17都県)からの原料生薬について放射性物質を検査し、結果等を自主的に取りまとめています。その取りまとめについては、平成23年10月14日及び平成24年1月16日に公表しました。
今回は、9月13日、日薬連から、平成23年11月1日から平成24年4月30日までに17都県からの原料生薬の放射性物質を検査した結果等について報告があったことから情報提供したものです。
なお、報告された287検体に係る原料生薬については、平成23年12月13日付通知「漢方生薬製剤原料生薬の放射性物質の検査に係る適切な方法について」で示した「生薬等の放射性物質測定ガイドライン」(検査ガイドライン)に基づく精密な方法で検出されていないことが確認されたものでない限り使用・出荷されていないことも明らかにしています。
平成23年3月11日以降に検査計画対象自治体17都県から産出した生薬(対象原料生薬)の購入又は購入予定がある会社における平成23年11月1日から平成24年4月30日の間に結果が判明した全ての生薬の放射性物質検査状況を調査しました。調査期間は平成24年6月1日~6月30日です。
<結果の概要>
1)生薬の放射性物質検査に関する調査表(第三報)
①今回の調査により報告された37生薬・287検体の中から、検査ガイドラインに準じてサンプリング・検査が行われた35生薬・277検体の結果についてまとめた。
②検査ガイドライン発出前に検査結果が判明したものとして6生薬・11検体が報告された。これら6生薬・11検体を含めて、35生薬・277検体はゲルマニウム半導体検査法で確認が行われており、定量下限値の適切な設定等、検査ガイドラインに示された精密な方法に照らし適切に放射性物質の検査が行われていた。
③277検体中267検体では放射性物質の検出は認められず、6生薬・10検体に放射性物質(放射性セシウム)が確認された。
6生薬・10検体:コウボク4検体、ジュウヤク1検体、ソヨウ1検体、トウキ2検体、ドクカツ1検体、ワキョウカツ1検体
④これら検出された生薬は、すべて医薬品製造に使用していないことを確認している。
2)生薬の放射性物質検査に関する調査表(第三報・別表)
①今回の調査により報告された37生薬・287検体の中から、当該生薬の取扱いを検討の参考とするため、検査ガイドラインに準じたサンプリングとは別に本収穫前あるいは本購入前の段階(いわゆる事前サンプル)で検査が行われた4生薬・10検体の結果についてまとめた。
②これら事前サンプルの検査方法は、ゲルマニウム半導体検査法で確認が行われ定量下限値の適切な設定等、検査ガイドラインに示された精密な方法に照らして適切に放射性物質の検査が行われている。
③10検体中9検体では放射性物質の検出は認められず、1生薬・1検体(アカマツバ)に放射性物質(放射性セシウム)が確認された。
④前項当該検体は、医薬品原料として本収穫する前のものであり、医薬品原料として収穫されておらず医薬品製造に使用していないことを確認している。
⑤なお、今回検査が行われた事前サンプル10検体に係る生薬は、現時点においては、いずれも医薬品の原料として使用されておらず、1)に相当する検査は実施されていない。今後、医薬品の原料として使用される場合にあっては、改めて、検査ガイドラインに沿って放射性物質検査を実施する旨、報告者から確認を得ている。