matsuda's blog

2013年12月

26年度診療報酬改定の基本方針公表 厚生労働省

厚生労働省は、126日、平成26年度診療報酬改定の基本方針について公表しました。

これは、同日の社会保障審議会医療保険部会及び医療部会において平成26年度診療報酬改定の基本方針がとりまとめられたことから公表したものです。

 

基本的考え方は、重点課題を「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等」とし、改定の視点として、(1)充実が求められる分野を適切に評価していく視点、(2)患者等から見て分かりやすく納得でき、安心・安全で質の高い医療を実現する視点、(3)医療従事者の負担を軽減する視点、(4)効率化余地がある分野を適正化する視点、を挙げています。

そして、平成26年度診療報酬改定の基本方針として、重点課題「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等」について、①入院医療-高度急性期・一般急性期、慢性期(長期療養)、回復期(診療報酬上の亜急性期入院医療管理料等)、地域特性、有床診療所における入院医療、②外来医療、③在宅医療、④医療機関相互の連携や医療・介護の連携によるネットワーク、について具体的に示しています。

その上で、4つの改定視点について詳細に説明し、「消費税率8%への引上げに伴う対応」として、(ア)平成264月から消費税率8%への引上げが予定されているが、これに伴い、医療機関等に実質的な負担が生じることのないよう、消費税率8%への引上げ時には、診療報酬とは別建ての高額投資対応は実施せず、診療報酬改定により対応することとすべきである、(イ)また、診療報酬による対応においては、医療経済実態調査の結果等を踏まえ、基本診療料・調剤基本料への上乗せによる対応を中心としつつ、個別項目への上乗せを組み合わせる形で対応することを基本とし、この消費税対応分が明確になるよう配慮すべきである、としています。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000031365.html

2013/12/06(金) 12:01

医療機能評価機構が「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」24年年報公表

公益財団法人日本医療機能評価機構は、1128日、「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」平成24年年報を公表しました。

事業参加薬局は7,225薬局で、平成24年の新規参加薬局は、1155軒、2125軒、3124軒、4121軒、5104軒、6106軒、7141軒、858軒、948軒、1085軒、1177軒、1261軒で、都道府県別参加薬局数は東京都493軒、神奈川県493軒、北海道480軒、福岡県458軒、山口県457軒、大阪府426軒、兵庫県285軒、栃木県221軒、新潟県217軒、宮城県214軒、愛知県202軒の順となっています。

平成241~12月の事業参加薬局数は7,242薬局で、このうち報告のあった薬局は798薬局、公表件数は7,166件。月別の参加薬局数と報告件数・公表件数は1月=6,190薬局、743件、2月=6,314薬局、644件、3月=6,437薬局、743件、4月=6,558薬局、536件、5月=6,661薬局、541件、6月=6,767薬局、700件、7月=6,907薬局、506件、8月=6,965薬局、477件、9月=7,012薬局、391件、10月=7,095薬局、609件、11月=7,168薬局、615件、12月=7,225薬局、661件です。

報告された7,166件に対し、各項目の集計を行った結果の主なものは以下の通りです。

◇発生月

発生月別の報告は、1739件、2634件、3538件、4695件、5632件、6658件、7541件、8492件、9469件、10601件、11621件、12546件。

◇発生曜日

発生曜日別の報告件数及びその割合は、日曜日30件、0.4%、月曜日1,412件、19.7%、火曜日1,286件、17.9%、水曜日1,283件、17.9%、木曜日1,134件、15.8%、金曜日1,386件、19.3%、土曜日635件、8.9%

◇事例の概要

事例の概要別の報告件数及びその割合は、調剤6,424件、89.6%、疑義照会730件、10.2%、特定保険医療材料9件、0.1%、医薬品の販売3件、0.0%。医師へ疑義照会を行った事例は、前年と比較すると7.4%から10.2%に増加していた。

◇調剤に関する項目

調剤に関する項目については、前年同様「数量間違い」(1,827)が最も多く、次に「薬剤取違え」(1,005)、「規格・剤形間違い」(948)が多かった。なお、「その他(調剤)」として報告された事例では、レセプト用コンピュータの入力間違いに関する事例が多かった。

◇疑義照会に関する項目

疑義照会に関する項目について、仮に変更前の処方通りに服用した場合の影響、疑義があると判断した理由、変更内容別の報告件数は、仮に変更前の処方通りに服用した場合の影響では、「患者に健康被害があったと推測される」事例が62.6%(457)であり、前年と比較して増加(51.4%62.6%)していた。疑義があると判断した理由では、「当該処方せんと薬局で管理している情報で判断」した事例は52.2%(381)であり、前年と比較して増加(45.9%52.2%)していた。変更内容では、前年と同様に「薬剤変更」が35.5%(259)と最も多く、次に「薬剤削除」が32.3%(236)と多かった。

◇発見者

発見者別の報告件数及びその割合は、前年と同様、「同職種者」が37.0%(2,648)で最も多く、次に「他職種者」が26.7%(1,914)、「当事者本人」が22.8%(1,635)と多かった。前年と比較して、同職種者の割合(41.9%37.0%)や他職種者の割合(31.1%26.7%)は減少し、当事者本人の割合(16.0%22.8%)が増加していた。

◇当事者

当事者別の報告件数及びその割合は、薬剤師が59.2%(6,239)と最も多く、前年と比較して薬剤師の割合が増加し(53.4%59.2%)、事務員は37.0%(3,898)で、事務員の割合は減少(43.3%37.0%)していた。

 

http://jcqhc.or.jp/

2013/12/05(木) 13:21

診療報酬改定で基本的な見解表明 中医協総会で支払側・診療側委員が

中央社会保険医療協議会の第260回総会は1127日に開催され、平成26年度診療報酬改定に関する基本的な見解が1号側 (支払側) 委員と2号側 (診療側) 委員から提出されました。

 

2号側委員の意見は、

「診療報酬プラス改定の必要性」について、政府が進める社会保障・税一体改革において、消費税増収による財源を社会保障の充実に充てることは国民との約束事項である。国民に提供する安心・安全な医療のさらなる充実・強化のため、「消費税率引き上げ対応分を除き全体(ネット)プラス改定」、「消費税率引き上げ対応分に対する完全な補填」を要求する。

として、次の通り掲げています。

 

1.消費税率引き上げ対応分を除き、全体(ネット)プラス改定とすること

(1)医療再興、医療の充実・機能強化のための財源を確保すること

今回の医療経済実態調査の結果等から医業機関経営がほとんど改善していないことが明らかになった。直近2回の改定は全体(ネット)プラス改定であったが、いまだにそれまでの厳しい医療費抑制の下で直面した医療崩壊の危機から脱することができていない。このままでは、医療再興、ましてや医療提供体制の機能強化は不可能である。消費税率引き上げ対応分を除いた全体(ネット)プラス改定は必須である。

(2)中小病院、診療所をはじめ地域包括ケアシステムの構築を担う医療機関等へ手厚い配分を行うこと

超高齢社会に対応するために、地域包括ケアシステムの確立は重要課題のひとつである。そしてその中核的機能を担うのは、地域の中小病院や診療所の「かかりつけ医」である。また地域に密着した病院は在宅医療等の後方支援病院としての機能、有床診療所は病院からの早期退院患者の在宅・介護施設への受け渡し機能を担っている。直近の改定は大規模急性期病院中心の配分であった。次期改定では全体的な底上げに加え、中小病院、診療所への十分な評価を要求する。

(3)歯科診療所においても必要な手当てを行うこと

歯科においては、国民の生活の質の確保のため、基本診療料や基本的技術料等の評価を行うことで、超高齢社会での役割が果たせる経営基盤強化を求める。

(4)保険薬局においても必要な手当てを行うこと

薬局においては、地域に根ざした調剤・在宅業務充実のため、かかりつけ機能の評価とともに、安定した経営基盤の確立を求める。

(5)薬価等引き下げ分は本体改定財源に充当すること

診察、薬剤の支給、処置等は不可分一体であり、その財源を切り分けることは不適当である。医療再興を確実にするためにも、従来どおり薬価引き下げ財源を診療報酬全体の改定財源として活用することを要求する。

2.消費税率8%引き上げにあたっては、医療機関等に負担が生じないように引き上げ対応分に対する完全な補填をすることはもちろん、通常の診療報酬改定とは明確に区分して対応すること

 

政府は、経済の好循環実現に向けて賃上げの要請を行い、経済界等も前向きである。診療報酬による医療従事者の処遇改善を実現し、これをもって医療界としても経済成長に寄与し、かつ国民が活力を持って働き、安心して過ごせるよう、国民の生命と健康をこれまで以上にしっかりと守っていきたい。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000030498.html

2013/12/02(月) 15:23