matsuda's blog

診療報酬改定で基本的な見解表明 中医協総会で支払側・診療側委員が

中央社会保険医療協議会の第260回総会は1127日に開催され、平成26年度診療報酬改定に関する基本的な見解が1号側 (支払側) 委員と2号側 (診療側) 委員から提出されました。

 

2号側委員の意見は、

「診療報酬プラス改定の必要性」について、政府が進める社会保障・税一体改革において、消費税増収による財源を社会保障の充実に充てることは国民との約束事項である。国民に提供する安心・安全な医療のさらなる充実・強化のため、「消費税率引き上げ対応分を除き全体(ネット)プラス改定」、「消費税率引き上げ対応分に対する完全な補填」を要求する。

として、次の通り掲げています。

 

1.消費税率引き上げ対応分を除き、全体(ネット)プラス改定とすること

(1)医療再興、医療の充実・機能強化のための財源を確保すること

今回の医療経済実態調査の結果等から医業機関経営がほとんど改善していないことが明らかになった。直近2回の改定は全体(ネット)プラス改定であったが、いまだにそれまでの厳しい医療費抑制の下で直面した医療崩壊の危機から脱することができていない。このままでは、医療再興、ましてや医療提供体制の機能強化は不可能である。消費税率引き上げ対応分を除いた全体(ネット)プラス改定は必須である。

(2)中小病院、診療所をはじめ地域包括ケアシステムの構築を担う医療機関等へ手厚い配分を行うこと

超高齢社会に対応するために、地域包括ケアシステムの確立は重要課題のひとつである。そしてその中核的機能を担うのは、地域の中小病院や診療所の「かかりつけ医」である。また地域に密着した病院は在宅医療等の後方支援病院としての機能、有床診療所は病院からの早期退院患者の在宅・介護施設への受け渡し機能を担っている。直近の改定は大規模急性期病院中心の配分であった。次期改定では全体的な底上げに加え、中小病院、診療所への十分な評価を要求する。

(3)歯科診療所においても必要な手当てを行うこと

歯科においては、国民の生活の質の確保のため、基本診療料や基本的技術料等の評価を行うことで、超高齢社会での役割が果たせる経営基盤強化を求める。

(4)保険薬局においても必要な手当てを行うこと

薬局においては、地域に根ざした調剤・在宅業務充実のため、かかりつけ機能の評価とともに、安定した経営基盤の確立を求める。

(5)薬価等引き下げ分は本体改定財源に充当すること

診察、薬剤の支給、処置等は不可分一体であり、その財源を切り分けることは不適当である。医療再興を確実にするためにも、従来どおり薬価引き下げ財源を診療報酬全体の改定財源として活用することを要求する。

2.消費税率8%引き上げにあたっては、医療機関等に負担が生じないように引き上げ対応分に対する完全な補填をすることはもちろん、通常の診療報酬改定とは明確に区分して対応すること

 

政府は、経済の好循環実現に向けて賃上げの要請を行い、経済界等も前向きである。診療報酬による医療従事者の処遇改善を実現し、これをもって医療界としても経済成長に寄与し、かつ国民が活力を持って働き、安心して過ごせるよう、国民の生命と健康をこれまで以上にしっかりと守っていきたい。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000030498.html

2013/12/02(月) 15:23