matsuda's blog

2012年7月

7月28日に第1回日本肝炎デー 厚生労働省

厚生労働省は、76日、第1回日本肝炎デーについて発表しました。

世界保健機関(WHO)は、2010年に世界的レベルでのウイルス性肝炎の蔓延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消や感染予防の推進を図ることを目的として、728日を"World Hepatitis Day"(世界肝炎デー)と定め、肝炎に関する啓発活動等の実施を提唱しました。

一方、我が国では肝炎対策基本法に基づき平成235月に制定された肝炎対策基本指針において、日本肝炎デーの設定が定められており、昨年WHOが開始した「世界肝炎デー」と同日である728日を本年度から日本肝炎デーと定め、肝炎ウイルス検査の受検勧奨、新たな感染予防のため、全ての国民に対して、予防、治療に係る正しい理解が進むよう普及啓発及び情報提供を推進します。

また、公益財団法人ウイルス肝炎研究財団が従来から実施してきた「肝臓週間」と連携します。

今年のテーマは「This is hepatitis」、スローガンは、「It's closer than you think」です。

 

(1)今後の取組の方針

 肝疾患の正しい知識について、国民に十分に浸透していないと考えられます。こうした中で、肝炎ウイルス検査の受検を勧奨し、新たな感染を予防するためには、全ての国民に対して、肝炎の予防、病気や治療に関する正しい理解が進むように普及啓発や情報提供を推進する必要があります。

 また、早期に適切な治療を促すため、肝炎患者等が肝炎の病態及び治療に関する正しい知識を持つことができるよう、普及啓発及び情報提供を積極的に行うとともに、肝炎患者等が、不当な差別を受けることなく、社会において安心して暮らせる環境づくりを目指し、肝炎患者等とその家族等、医療従事者、事業主等の関係者を始めとした全ての国民が、肝炎について正しい知識を持つための普及啓発を推進する必要があります。

 

(2)今後国が取り組む事項

○平成225月の世界保健機関(WHO)総会において、世界肝炎デーの実施が決議されたことを踏まえ、日本肝炎デーを設定します。あわせて、公益財団法人ウイルス肝炎研究財団が従来から実施してきた「肝臓週間」と連携し、肝炎に関する集中的な普及啓発を行います。

○あらゆる世代の国民が、肝炎に係る正しい知識を持つための普及啓発を行います。

○国民に対し、近年、我が国における感染事例の報告がある急性B型肝炎(ジェノタイプA)は、従来に比し、感染が慢性化することが多いとされていることに鑑み、母子感染や乳幼児期の水平感染に加えて、性行為等により感染する可能性があり、予防策を講じる必要があることについて普及啓発を行います。

○肝炎患者等への受診勧奨を行うため、医療保険者、医師その他の医療従事者の団体、職域において健康管理に携わる者の団体、事業主団体等の協力を得て、肝炎の病態、知識や肝炎医療に係る制度について普及啓発を行います。

○肝炎患者等、医師等の医療従事者、職域において健康管理に携わる者、事業主等の関係者が、それぞれにとって必要な情報を取りまとめ、普及啓発を行います。

○就労を維持しながら適切な肝炎医療を受けることができる環境の整備等について、各事業主団体に対し、協力を要請します。

○地域の医療機関において、肝炎に係る情報提供が適切になされるよう、肝炎情報センターに対し、情報提供の機能を充実させるよう要請します。

○拠点病院の肝炎疾患相談センターを周知するための普及啓発を行います。

○医療保険者や事業主が肝炎ウイルス検査を実施する場合の検査結果について、プライバシーに配慮した適正な通知と取扱いについて、医療保険者及び事業主に対して改めて周知します。

○肝炎患者等に対する偏見や差別の実態を把握し、その被害の防止のためのガイドラインを作成するための研究を行い、その成果物を活用し、地方公共団体と連携を図り、普及啓発を行います。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002eqpg.html
2012/07/09(月) 15:41

アレグラとイブプロフェンのスイッチOTCを承認

厚生労働省は、72日、都道府県衛生主管部()長、保健所設置市長、特別区長に対して、新たに承認された第一類医薬品について通知しました。

これは、薬事法第14条第1項の規定に基づき同日承認されたもので、承認された医薬品は次の通りです。

なお、これらの医薬品は、薬事法施行規則第159条の2の表第2号上欄に掲げる医薬品に該当することから、法第36条の31項に規定する第一類医薬品となります。

 

有効成分:フェキソフェナジン塩酸塩

販売名:アレグラFX、アレグラα、アレグラフレッシュ、アレグラファイン

製造販売業者:サノフィ・アベンティス株式会社

 

有効成分:イブプロフェン

販売名:ナロンホワイト、ナロンメディカル

製造販売業者:大正製薬株式会社

 

http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/newdaiichirui.html

2012/07/04(水) 13:57

「こころの健康基本法案骨子」で意見表明 日本医師会

日本医師会は、627日の定例記者会見で、「こころの健康基本法案(仮称)骨子」に対する意見を表明しました。

内容は次の通りです。

 

わが国では1988年以降、年間自殺者数が3万人を超える状況が続いている。さらに自殺未遂者は少なく見積もっても既遂者の10倍は存在すると推定され、医学的には自殺者の大多数が最後の行動に及ぶ前に何らかの精神疾患に該当する状態にあることが指摘されている。

また、昨年311日に発生した東日本大震災の強い恐怖体験により、子どもたちを含め多くの被災者がPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいると言われており、その支援は長期的かつ重点的に行われることが求められている。

すなわち、精神保健・精神医療の充実は社会的な課題であり、国としてその対応を進めることが必要であることは言を俟たない。

 

一方、現実的にはすでに精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)、障害者基本法等の既存の法律が施行・運用されている。

こころの健康基本法案(仮称)骨子(以下、法案骨子)においては、国、都道府県に対して、「こころの健康環境基本計画」の策定を義務付け、市町村には努力義務を課している。そして、原則として当該施策の具体的な目標、達成時期を定めるとしている。

しかし、医療法に基づく医療計画の4疾病5事業に新たに「精神疾患」が加わり5疾病となり、来年度の実施に向け、いままさに各都道府県において医療連携を中心とした医療提供体制に係る計画策定が進められているところである。

また、法案骨子では、地方公共団体に「地域こころの環境センター」設置の努力義務を課しているが、すでに各都道府県、政令市では、精神保健福祉法の規定に基づく精神保健福祉センターが稼動しており、屋上屋を重ねる施策になりかねない。

 

このように、法案骨子に示される内容は既存法、あるいは既存法の充実によって対応可能であり、新たな法制化によって、かえって現場の混乱を招くことが懸念される。

いま行うべき理念法の制定よりも、財政的な裏づけに基づく具体的な体制の整備であり、そのことが実効ある精神保健・医療施策の推進につながるものと考える。

 

http://www.med.or.jp/

2012/07/02(月) 14:26

社会保障制度改革推進法案等で見解 日本医師会

日本医師会は、627日の定例記者会見で、「社会保障制度改革推進法案等に対する見解」を発表しました。

内容は次の通りです。

 

昨日(626)、衆議院で、社会保障制度改革推進法案を含む消費税関連法案が可決されました。

社会保障のための安定的財源の1つとして消費税があてられることについて、一定の評価をしたいと思います。崩壊しつつある地域の医療、介護に代表される社会保障の機能強化に確実に結びついていくことを期待します。

 

ただし、「社会保障制度改革推進法案」では、懸念される点もあります。

日本ではこれまで、「国民皆保険」を堅持してきましたが、今回の法案では、医療保険制度は、原則全ての国民が加入する仕組みであり、給付範囲の適正化を図ること、とされています。日本医師会は、これまで、国民皆保険とは、すべての国民が加入し、かつ、①公的な医療給付範囲を将来にわたって維持すること、②混合診療を全面解禁しないこと、③株式会社を医療機関経営に参入させないこと-が重要であると主張してきました。今回の法案が、給付範囲の縮小、国民が受けられる医療の格差拡大につながらないよう、日本医師会としてしっかりと注視します。

 

今後、社会保障改革の審議は「社会保障制度改革国民会議」の審議に委ねられます。日本医師会としては、まず、地域医療の代表として国民会議の委員として任命されることを望みます。そして、消費増税が決まった反面、高齢者医療制度をはじめとする医療保険制度改革の議論は先送りされたわけですから、国民、患者さんのこれ以上の負担にならないよう配慮しなければなりません。患者一部負担割合が引き上げられたり、受診時定額負担の提案が復活したりすることがないようにしなければなりません。

そのうえで、しっかりと国民のみなさんが安心できる医療、介護保険制度の将来像構築に取り組みたいと考えます。またその際、いつも申し上げておりますように、地域の実情を踏まえ、地域密着型の医療提供体制を提案していきたいと思います。

 

http://www.med.or.jp/

2012/07/02(月) 12:47