令和3年度国民医療を公表 厚生労働省 45兆359億円 人口一人当たり35万8,800円
厚生労働省は、10月24日、「令和3(2021)年度国民医療費」を公表しました。
「国民医療費」は、その年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用の総計で、ここでいう費用とは、医療保険などによる給付のほか、公費負担、患者負担によって支払われた医療費を合算したものです。
「国民医療費」には、医科診療医療費、歯科診療医療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費等は含みますが、保険診療の対象とならない費用や、正常な妊娠・分娩、健康診断、予防接種など傷病の治療以外の費用は含みません。
【結果の概要】
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国民医療費の状況
令和3年度の国民医療費は45兆359億、前年度に比べ2兆694億円、4.8%の増加となっている。人口一人当たりでの国民医療費は35万8,800円、前年度比1万8,200円、5.3%の増加となっている。国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は8.18%(前年度7.99%)となっている。
2 制度区分別の国民医療費
制度区分別にみると、公費負担医療給付分は3兆3,136億円(構成割合7.4%)、医療保険等給付分は20兆5,706億円(同45.7%)、後期高齢者医療給付分は15兆7,246億円(同34.9%)、患者等負担分は5兆4,270億円(同12.1%)となっている。
対前年度増減率をみると、公費負担医療給付分は6.1%の増加、医療保険等給付分は6.2%の増加、後期高齢者医療給付分は2.9%の増加、患者等負担分は4.5%の増加となっている。
3 財源別の国民医療費
財源別にみると、公費は17兆1,025億円(構成割合38.0%)、そのうち国庫は11兆4,027億円(同25.3%)、地方は5兆6,998億円(同12.7%)となっている。保険料は22兆4,957億円(同50.0%)、そのうち事業主は9兆7,376億円(同21.6%)、被保険者は12兆7,581億円(同28.3%)となっている。また、その他は5兆4,378億円(同12.1%)、そのうち患者負担は5兆2,094億円(同11.6%)となっている。
4 診療種類別国民医療費
診療種類別にみると、医科診療医療費は32兆4,025億円(構成割合71.9%)、そのうち入院医療費は16兆8,551億円(同37.4%)、入院外医療費は15兆5,474億円(同34.5%)となっている。また、歯科診療医療費3兆1,479億円(同7.0%)、薬局調剤医療費7兆8,794億円(同17.5%)、入院時食事・生活医療費は7,407億円(同1.6%)、訪問看護医療費は3,929億円(同0.9%)、療養費等は4,725億円(同1.0%)となっている。
対前年度増減率をみると、医科診療医療費は5.3%の増加、歯科診療医療費は4.9%の増加、薬局調剤医療費は3.0%の増加となっている。
年齢階級別にみると、0~14歳は2兆4,178億円(構成割合5.4%)、15~44歳は5兆3,725億円(同11.9%)、45~64歳は9兆9,421億円(同22.1%)、65歳以上は27兆3,036億円(同60.6%)となっている。
人口一人当たり国民医療費をみると、65歳未満は19万8,600円、65歳以上は75万4,000円となっている。そのうち医科診療医療費では、65歳未満が13万3,900円、65歳以上が56万4,700円となっている。歯科診療医療費では、65歳未満が2万1,200円、65歳以上が3万4,600円となっている。薬局調剤医療費では、65歳未満が3万7,500円、65歳以上が12万5,100円となっている。
また、年齢階級別国民医療費を性別でみると、0~14歳の男は1兆3,304億円(構成割合6.1%)、女は1兆874億円(同4.7%)、15~44歳の男は2兆4,168億円(同11.0%)、女は2兆9,576億円(同12.8%)、45~64歳の男は5兆2,529億円(同23.9%)、女は4兆6,891億円(同20.3%)、65歳以上の男は12兆9,600億円(同59.0%)、女は14兆3,370億円(同62.1%)となっている。
人口一人当たり国民医療費をみると、65歳未満の男は19万8,700円、女は19万8,500円、65歳以上の男は82万4,700円、女は69万9,600円となっている。
6 傷病分類別医科診療医療費
医科診療医療費を主傷病による傷病分類別にみると、「循環器系の疾患」6兆1,116億円(構成割合18.9%)が最も多く、次いで「新生物<腫瘍>」4兆8,428億円(同14.9%)「筋骨格系及び結合組織の疾患」2兆6,076億円(同8.0%)、「損傷、中毒及びその他の外因の影響」2兆4,935億円(同7.7%)、「腎尿路生殖系の疾患」2兆3,143億円(同7.1%)となっている。
年齢階級別にみると、65歳未満では「新生物<腫瘍>」1兆6,288億円(同13.6%)が最も多く、65歳以上では「循環器系の疾患」4兆8,670億円(23.8%)が最も多くなっている。
また、性別にみると、男では「循環器系の疾患」(同20.3%)、「新生物<腫瘍>」(同16.3%)、「腎尿路生殖器系の疾患」(同8.1%)が多く、女では「循環器系の疾患」(同17.4%)、「新生物<腫瘍>」(同13.6%)、「筋骨格系及び結合組織の疾患」(同10.2%)が多くなっている。
7 都道府県別国民医療費
都道府県(患者住所地)別にみると、東京都が4兆6,155億円と最も高く、次いで大阪府が3兆4,501億円、神奈川県が2兆9,956億円となっている。また、鳥取県が2,044億円と最も低く、次いで島根県が2,669億円、福井県が2,719億円となっている。
人口一人当たり国民医療費をみると、高知県が47万1,300円と最も高く、次いで鹿児島県が44万400円、長崎県が43万3,500円となっている。また、埼玉県が31万8,100円と最も低く、次いで千葉県が32万600円、滋賀県が32万1,700円となっている。
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