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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業「共有すべき事例」を公表 日本医療機能評価機構

公益財団法人日本医療機能評価機構は、929日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業「共有すべき事例」2023NO.9を公表しました。

<調剤>

「後発医薬品の製造販売業者変更時の説明不足」

事例の詳細:平素より当薬局を利用している患者が、【般】フロセミド錠20㎎と記載された処方箋を持参した。これまで交付していたフロセミド錠20㎎「NIG」が入手困難になったため、今回はフロセミド錠20㎎「NP」を交付した。薬剤師は、その変更について患者に説明しなかった。患者は、交付された薬剤の外観がこれまでと大きく異なっていたため不審に思い、服用しなかった。2週間後、処方医が、患者が薬剤を服用していないことに気付き、薬局に連絡した。

「背景・要因」

常勤の薬剤師が不在であり、他店舗の薬剤師が不慣れな環境で鑑査及び交付を行った。レセプトコンピュータに処方を入力した者は、これまでと異なる製造販売業者のフロセミド錠20㎎に変更したことを、患者及び薬剤を交付する薬剤師に伝えなかった。製造販売業者が異なる後発医薬品に変更する際は患者に説明することを業務手順書に定めていたが、遵守しなかった。

「薬局から報告された改善策」

患者が継続して服用していた後発医薬品を他の製造販売業者の薬剤に変更する際は、レセプトコンピュータに処方内容を入力した者が他のスタッフにその情報を伝達することを業務手順書に明記した。薬局スタッフに、業務手順書を順守するよう周知した。

<疑義照会・処方医への情報提供>

「電話でのやり取りによる規格間違い」

事例の詳細:医療機関の看護師から薬局に「患者にオプソ内服液2.5ミリを処方したいが、在庫はあるか」と電話で問い合わせがあった。薬剤師は2.5ミリを2.5㎎と考え、「オプソ内服液の規格は5㎎と10㎎であり、薬局に在庫があるのは5㎎のみである」と伝えたところ、「5ミリを処方するよう、医師に伝える」と返答があった。その後、薬局で応需した処方箋にオプソ内服液10㎎(5mL/包)が記載されていたことから、薬剤師は、問い合わせた時に看護師が言った単位がミリリットルであることに気付いた。医療機関に確認したところ、オプソ内服液5㎎(2.5L/包)に変更となった。

「推定される要因」

オプソ内服液にはオプソ内服液5㎎とオプソ内服液10㎎がある。薬局では、通常、成分量の単位である㎎を用いて規格を確認するため、看護師から問い合わせを受けた薬剤師は、「2.5ミリ」を「2.5㎎」だと思い込んで返答した。

「薬局での取り組み」

電話でのやり取りでは必ず薬剤名の規格・単位まで確認する。オプソ内服液は特に規格・単位に関する間違いが生じやすいことを全職員に注意喚起した。

<一般用医薬品等>

「受診勧奨(来局者の症状)」

事例の詳細:来局者が、腹部に発疹があるのでフルコートfを購入したいと希望した。薬剤師が症状を確認すると、腹部の発疹は赤みが強く、片側性で痛みもあるとのことであった。薬剤師は症状から皮膚科医の診察が必要と判断し、フルコートfは販売せず、近隣の皮膚科医院を紹介し、すぐに受診するよう来局者に伝えた。来局者が皮膚科医院を受診したところ帯状疱疹と診断され、アメナリーフ錠200㎎、ビダラビン軟膏3%が処方された。

「背景・要因」

来局者は、以前使用したことがある一般用医薬品を購入して対応しようとした。

「薬局から報告された改善策」

来局者が薬剤名を指定して一般用医薬品の購入を希望した際は、症状を詳しく確認し、必要であれば適切な薬剤への変更提案や受診勧奨を行う。

 

 

https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/

 


2023/10/04(水) 10:08