医薬品販売制度実態把握調査の結果を公表 厚生労働省
厚生労働省は、9月1日、「医薬品販売制度実態把握調査」の結果を公表しました。
厚生労働省では、薬局・店舗販売業の許可を得た店舗が医薬品の販売に際し、店舗やインターネットで消費者に適切に説明を行っているかどうか等について調査を行っています。令和4年度の調査は、一般用医薬品のインターネットでの販売状況や要指導医薬品の店舗での販売状況を含めた調査を前年度に引き続き行ったほか、一般用新型コロナウイルス抗原定性検査キットの販売時の情報提供に係る調査を実施しました。
今回の調査について、店舗での販売においては、「要指導医薬品販売における文書による情報提供の有無」や「第1類医薬品販売における文書による情報提供の有無」等の項目で改善が見られました。その一方で、「第1類医薬品販売において情報提供された内容を理解したかどうか等の確認の有無」及び「濫用等のおそれのある医薬品を複数購入しようとした時の対応」についての遵守率が低下しています。特に、「濫用等のおそれのある医薬品を複数購入しようとした時の対応」については、令和5年4月1日より、濫用等のおそれのある医薬品の対象品目が拡大されたことから、新たに対象となった品目においても当該項目が遵守されるよう販売ルールの徹底が必要と考えています。
また、抗原検査キット(OTC)の販売については、「新型コロナウイルス感染症流行下における一般用新型コロナウイルス抗原定性検査キットの販売時における留意事項について」(令和4年8月24日付事務連絡)において留意事項を示しており、販売時に偽陰性の可能性があること等について特に丁寧に説明することとしていますが、これらの事項について情報提供を行っていた割合は低い結果となりました。
【主な調査結果】
◎店舗での販売に関する調査
全体的な遵守率は横ばいであったが、第一類医薬品における「使用者の状況についての確認」「情報提供された内容を理解したかどうか等の確認」や「濫用等のおそれのある医薬品を複数購入しようとした時の対応が適切であった」等の項目で遵守率が低下している。
〇第一類医薬品における「使用者の状況について確認があった」:91.0%
〇第一類医薬品における「情報提供された内容を理化したかどうか等の確認があった」:57.8%
〇「濫用等のおそれのある医薬品を複数購入しようとしたときの対応が適切であった」:76.5%
◎インターネットでの販売に関する調査
全体的な遵守事項は横ばいであったが、「濫用等のおそれのある医薬品を複数購入しようとした時の対応が適切であった」の項目は、前回より遵守率が上昇している。また、「相談に対応した者の資格が薬剤師であった」等の一部の項目では、店舗に比べ遵守率が低い。
◎抗原検査キット販売時の情報提供の実施状況
販売時に偽陰性の可能性があること等、「新型コロナウイルス感染症流行下における一般用新型コロナウイルス抗原定性検査キットの販売時における留意事項について」において販売時の留意事項として示している事項について、薬局・店舗販売業の許可を得た店舗で情報提供を行っている割合は低かった。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34966.html