matsuda's blog

平成30年度国民医療費を公表 総医療費43兆3,949億円 厚生労働省

厚生労働省は、11 30日、「平成30年度国民医療費」を公表しました。総額433,949億円、人口一人当たり343,200円です。

「国民医療費」は、その年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用(医療保険などによる給付のほか、公費負担、患者負担によって支払われた医療費を合算したもの)の推計です。

「国民医療費」には、医科診療医療費、歯科診療医療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費等は含みますが、保険診療の対象とならない費用や、正常な妊娠・分娩、健康診断、予防接種など、傷病の治療以外の費用は含みません。

【結果のポイント】

〇平成30年度の国民医療費は433,949億円(前年に比べ3,239億円、0.80%の増加)

 人口一人当たりでは343,200円(同3,300円、1.0%の増加)

〇制度区分別の国民医療費

・「公費負担医療給付分」:31,751億円(全体に占める割合7.3%

・「医療保険等給付分」:197,291億円(同45.5%

・「後期高齢者医療給付分」:15576億円(同34.7%

・「患者等負担分」:54,047億円(同12.5%

対前年度増減率をみると、公費負担医療給付分は0.9%の減少、医療保険等給付分は0.1%の減少、後期高齢者医療給付分は1.9%の増加、患者等負担分は2.5%の増加となっている。

〇財源別の国民医療費

・公費「国庫」:109,585億円(全体に占める割合25.3%

   「地方」:55,912億円(同12.9%

 ・保険料「事業主」:92,023億円(同21.2%

     「被保険者」:122,257億円(同28.2%

 ・その他「患者負担」:51,267億円(同11.8%

 〇診療種類別国民医療費

 ・医科診療医療費:313,251億円(構成割合72.2%

  入院医療費:165,535億円(同38.1%)、入院外医療費147,716億円(同34.0%

 ・歯科診療医療費:29,579億円(同6.8%

 ・薬局調剤医療費:75,687億円(同17.4%

 ・入院時食事・生活医療費:7,917億円(同1.8%

 ・訪問看護医療費:2,355億円(同0.5%

 ・療養費等:5,158億円(同1.2%

 対前年度増減率をみると、医科診療医療費は1.6%の増加、歯科診療医療費は2.0%の増加、薬局調剤医療費は3.1%の減少となっている。

 〇年齢階級別国民医療費

 0~14歳:25,300億円(構成割合5.8%

 15~44歳:52,403億円(同12.1%

 45~64歳:93,417億円(同21.5%

 65歳以上:262,828億円(同60.6%

 人口一人当たり国民医療費をみると、65歳未満は188,300円、65歳以上は738,700で、そのうち医科診療医療費では、65歳未満が128,100円、65歳以上が553,300円となっている。歯科診療医療費では、65歳未満が19,500円、65歳以上が33,400円、薬局調剤医療費では、65歳未満が35,100円、65歳以上が123,200円となっている。

 年齢階級別国民医療費を性別にみると、0~14歳の男は13,895億円(構成割合6.6%)、女は11,405億円(同5.1%)、15~44歳の男は23,748億円(同11.3%)、女は28,655億円(同12.8%)、45~64歳の男は49,691億円(同23.6%)、女は43,726億円(同19.6%)、 65歳以上の男は123,139億円(同58.5%)、女は139,689億円(同62.5%)となっている。人口一人当たり国民医療費をみると、65歳未満の男は189,500円、女は187,100円、65歳以上の男は796,600円、女は694,300円となっている。

 〇傷病分類別医科診療医療費

 医科診療医療費を主傷病による傷病分類別にみると、「循環器系の疾患」6596億円(構成割合19.3%が最も多く、次いで「新生物<腫瘍>」45,256億円(同14.4%)、「筋骨格系及び結合組織の疾患」25,184億円(同8.0%)、「損傷、中毒及びその他の外因の影響」24,421億円(同7.8%)、「呼吸器系の疾患」23,032億円(同7.4%)となっている。

 年齢階級別にみると、65歳未満では「新生物<腫瘍>」15,536億円(同13.3%)が最も多く、65歳以上では「循環器系の疾患」48,123億円(同24.4%)が最も多くなっている。性別にみると、男では「循環器系の疾患」(同20.7%)、「新生物<腫瘍>」(同16.0%)、「腎尿路生殖器系の疾患」(同8.1%)が多く、女では「循環器系の疾患」(同18.0%)、「新生物<腫瘍>」(同13.0%)、「筋骨格系及び結合組織の疾患」(同10.3%)が多くなっている。

 〇都道府県別国民医療費

 都道府県(患者住所地)別にみると、東京都が44,838億円と最も多く、次いで大阪府が31,725億円、神奈川県が27,543億円となっている。また、鳥取県が2,037億円と最も低く、次いで島根県が2,627億円、福井県が2,691億円となっている。

 人口一人当たり国民医療費をみると、高知県が452,500円と最も高く、次いで徳島県が433,800円、鹿児島県が423,100円となっている。また、神奈川県が30100円と最も低く、次いで愛知県が303,300円、千葉県が304,700円となっている。


2020/12/01(火) 15:16