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抗リウマチ剤(メトトレキサート)の過剰投与に伴う骨髄抑制で医療安全情報 日本医療機能評価機構

公益財団法人日本医療機能評価機構は、1015日、医療事故情報収集等事業 医療安全情報No.167「抗リウマチ剤(メトトレキサート)の過剰投与に伴う骨髄抑制(第3報)」を提供しました。

医療安全情報No.220071月)および医療安全情報No.4520108月)で、抗リウマチ剤(メトトレキサート)の過剰投与に伴い骨髄抑制を来した事例を取り上げていますが、類似の事例が7件報告されているため再度情報提供するものです(集計期間:201511~2020831日)。この情報は、第61回報告書「再発・類似事例の分析」で取り上げた内容をもとに作成しました。休薬期間が必要なメトトレキサート製剤を連日服用し、患者に影響があった事例が再び報告されています。

事例1:関節リウマチの患者(70歳代)にリウマトレックスカプセルが初めて処方された。医師は、患者に週1回服用する薬剤であることを説明したが、処方入力時、コメントに「週1回〇曜日内服」と記載するのを忘れた。保険薬局の薬剤師は、医師より服用方法の説明を受けたと患者から聞き、処方箋に記載されている用量のみを説明して渡した。薬剤の包装シートに服用日は記載していなかった。患者は7日間連日服用し、2週間後に軽度の肝障害と汎血球減少のため緊急入院した。

事例2:患者(70歳代)は、関節リウマチのため12年前からメトトレキサート製剤を服用していた。医師はメトトレキサートカプセル2㎎週18週間分を院内処方し、処方箋に「毎週日曜日朝食後内服」とコメントを記載した。薬剤師は薬袋に赤色で「日曜朝」と記載することになっていたが、記載するのを忘れた。患者は認知症のため家族が薬剤の管理をしており、薬袋に曜日の記載がなかったため毎日服用するものと思い込み、患者に連日服用させた。その後、患者は骨髄抑制を来して入院した。

<事例が発生した医療機関の取り組み>

・メトトレキサート製剤を処方・調剤する際、

医師は、「週〇回、〇曜日」を入力する。

薬剤師は、医師の指示を確認し、「週〇回、〇曜日」を薬袋に記載する。

・患者に休薬期間が必要であることを説明し、服用日を明確に伝える。

<取り組みのポイント>

・メトトレキサート製剤は連日服用すると危険性が高い薬剤であるため、薬剤師は患者に服用方法を毎回確実に説明する

・患者へ説明する際は、薬剤の服用方法に関する説明用紙等を活用する。

 

https://jcqhc.or.jp/

2020/10/15(木) 14:06