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抗原検査の使用方法の見直し 厚生労働省発表

厚生労働省は、616日、抗原検査の使用方法の見直しを発表しました。

新型コロナウイルス感染症の診断における抗原検査については、偽陰性が生じるリスクがあることから、陰性の場合には確定診断のために再度PCR検査が必要となっていますが、今般、発症2日目から9日以内の症例では、ウイルス量が多く、PCR検査と抗原検査の結果の一致率が高いとの研究結果が示されました。

この結果をもとに、16日、厚生科学審議会感染症部会に諮り、関係ガイドラインの改定を行い、「新型コロナウイルス感染症を疑う症状発症後2日目から9日目以内の者(発症日を1日目とする)については、本キットで陰性になった場合は追加の検査を必須としない」こととしました。抗原検査で陰性の場合も確定診断ができるようにするものです。

発症日別のウイルス量を踏まえた抗原検査の使用方法の研究は、川崎市健康安全研究所において、2020317日から526日に検査が実施された行政検査検体のうち、発症日が判明している検体(232検体)のRNA Copy(ウイルス量)の分布結果を調査した結果、発症日2日目から10日以内の症例では、おおむね8割以上の検体のRNA Copy数が1600Copy以上で、またおおむね9割以上の検体でRNA Copy数が400Copy以上でした。

抗原検査キット(エスプライン)の添付文書に記載されている臨床性能試験の概要では、RT-PCR法と抗原検査キットの陽性一致率は、1,600Copy以上の検体に対して一致率100%12/12症例)、400Copy以上の検体に対して一致率93%14/15例)です。

発症日2日目から10日以内の症例については十分なウイルス量を有することが確認できました。

また、発症日別のPCR検査と抗原検査の一致率に関する調査研究において、①新規検体(クラスターを対象とした積極的疫学調査の一環で実施した調査)で、東邦大学病院院内クラスター(有症状者)は発症から9日まではPCR検査と抗原検査の一致率が高かった、②保存検体を用いた調査として、国立国際医療研究センター入院患者の保存検体は発症から10日以内においては陽性一致率は高い傾向がある、自衛隊中央病院保存検体は咽頭ぬぐい検体を用いた抗原迅速検査とPCR検査との結果に高い一致度が認められた、としています。

 

https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000640451.pdf

 

2020/06/17(水) 15:24