松浦薬業に行政処分 業務停止命令及び業務改善命令 愛知県が発表
愛知県は、8月8日、松浦薬業株式会社に対し、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)第75条第1項の規定に基づき業務停止及び同法第72条の4第1項の規定に基づき業務改善を命じました。
処分内容は、第二種医薬品製造販売業(本差営業所)について8月8日から9月8日までの32日間の業務停止命令と医薬品製造販売業務の改善命令、医薬品製造業(冨貴工場)について8月8日から9月10日までの34日間の業務停止命令と医薬品製造業務の改善命令です。
処分理由は、第二種医薬品製造販売業(本差営業所)に関しては、ア 冨貴工場において製造する医薬品117品目について、厚生労働大臣等が承認した内容と異なる製造方法による製造が行われ、製造に関する記録が偽造されていたことを認識していたにも関わらず、品質管理を適正に行うことなく、適正な製造販売が行われるための必要な配慮を怠った(医薬品医療機器等法第18条第1項に基づく同法施行規則第92条第1号及び第2号違反)、イ 同社が設置する総括製造販売責任者は、冨貴工場において厚生労働大臣等が承認した内容と異なる製造方法による製造が行われ、製造に関する記録が偽造されていたことを認識していたが、品質管理業務を適正に行わず、また、必要な措置を講ずるよう製造販売業者に対して意見を述べなかった(医薬品医療機器等法第17条第2項に基づく同法施行規則第87条第1号及び第2号違反)。
医薬品製造業(冨貴工場)に関しては、ア 冨貴工場において製造する医薬品117品目について、厚生労働大臣等が承認した内容と異なる製造方法により製造を行い、かつ、製造指図書及び製造記録を偽造し、虚偽の記録に基づく出荷を行った(医薬品医療機器等法第18条第2項に基づく同法施行規則第96条違反)、イ
2015年10月、2016年9月、2017年9月及び2018年8月に県が実施した立入調査において、薬事監視員の質問に対して偽造した記録を提示し、虚偽の答弁を行った(医薬品医療機器等法第69条第1項違反)、ウ 同社が設置する医薬品製造管理者は、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、その製造所に勤務する従業者等を適切に監督すべきところ、厚生労働大臣等が承認した内容と異なる製造指図を行い虚偽の記録作成に関わるなど、必要な注意を怠った(医薬品医療機器等法第17条第4項で準用する同法第8条第1項違反)。
なお、松浦薬業では、不正に製造した医薬品117品目について、8月1日付で自主回収に着手していますが、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課では、8月8日付で各都道府県衛生主管部(局)に対して、「松浦薬業株式会社において製造された医薬品等の原料の取扱い」について事務連絡を発し、既に同社から供給を受けた原料を用いた医薬品、医薬部外品の製造又は製造販売に関する照会があった場合、①医薬品等の製造業者又は製造販売業者は当該原料の受入れ時に試験検査等を適切に実施すること、②医薬品等の製造業者及び製造販売業者は当該原料の品質について、今後速やかに同社と情報共有を実施すること、③医薬品等の製造販売業者は最終製品を市場へ出荷する場合、当該原料の受入れ試験及び最終製品の品質管理に係る試験検査等の結果、当該原料及び最終製品の正常、品質等に問題がないことを、これまでと同様に確認すること、を指導するよう要請しています。