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薬剤の中止の遅れによる手術・検査の延期で医療安全情報 日本医療機能評価機構

公益財団法人日本医療機能評価機構は、415日、医療事故情報収集等事業 医療安全情報No.149「薬剤の中止の遅れによる手術・検査の延期」を提供しました。

医療機関内で観血的医療行為前に中止する取り決めがある薬剤を把握していなかったことや中止指示を出さなかったことにより、予定した手術・検査が延期になった事例が7件報告されており(集計期間:201411~2019228日)、この情報は、第44回報告書「分析テーマ」で取り上げた内容をもとに作成しました。

事例1:患者は、肺癌が疑われ、気管支鏡検査で生検を行う予定であった。外来主治医は、問診票の「抗血小板薬内服あり」に○印があることに気付かず、タケルダ配合錠を中止しなかった。入院時、研修医はタケルダ配合錠は胃薬だと思っており、持参薬報告書のタケルダ配合錠の備考欄に「アスピリン 7日間の休薬が必要」と記載されていたが見逃し、中止しなかった。検査当日、検査室の看護師が患者に抗血小板薬の内服について確認した際、タケルダ配合錠を内服していることが分かり、検査を中止した。

事例2:当院の周術期に休薬する薬剤の一覧表では、イコサペントエン酸エチルを含む薬剤は術前7日間の休薬を推奨している。一覧表には院内採用薬のみ掲載されており、ロトリガは記載されていなかった。医師は、ロトリガが手術前に中止を検討する薬剤であることに気付かなかった。乳房切除術のため入院した際、手術前日に薬剤部よりロトリガは1週間の休薬が推奨されていると指摘があった。出血のリスクを考慮し、手術を延期した。

<事例が発生した医療機関の取り組み>

・手術・検査の際に休薬する薬剤の一覧表に成分名を記載し、院内で周知する。

・手術・検査を計画した際、患者の内服薬を把握し、中止する薬剤がないか確認する。

 

https://jcqhc.or.jp/

2019/04/15(月) 16:58