matsuda's blog

平成29年患者調査の結果を公表 厚生労働省

厚生労働省は、31日、平成29年(2017年)患者調査の結果を取りまとめ公表しました。

患者調査は、医療施設を利用する患者について、その傷病の状況などを調査し、今後の医療行政の基礎資料を得ることを目的としています。調査は3年ごとに実施しており、今回は全国の医療施設のうち、病院6,427施設、一般診療所5,887施設、歯科診療所1,280施設を抽出し、これらの施設を利用した入院・外来患者約228万人、退院患者約115万人が対象となりました。なお、入院・外来患者は平成2910月の医療施設ごとに指定した1日、退院患者は平成299月の1か月間を調査期間としました。

調査結果のポイントは、【推計患者数】においては、〇入院・外来別にみると、入院1313千人、外来7191千人、○傷病分類別にみると、入院では「精神及び行動の障害」252千人、「循環器系の疾患」229千人、「新生物<腫瘍>」142千人、外来では「消化器系の疾患」1293千人、「循環器系の疾患」889千人、「筋骨格系及び結合組織の疾患」877千人の順でした。【受療率(推計患者数を人口10万対で表した数)】においては、〇入院・外来別にみると、入院1,036(男972、女1,096)、外来5,675(男4,953、女6,360)、○年齢階級別にみると、入院、外来ともに65歳以上が最も高くなっているが、年次推移では低下傾向になっている。

<結果の概要>

 1 推計患者数

 調査日に全国の医療施設で受療した推計患者数は、「入院」1,312.6千人、「外来」7,191.0千人です。

(1)施設の種類・性・年齢階級別

 「入院」1,312.6千人について、施設の種類別にみると「病院」1,272.6千人、「一般診療所」39.9千人、性別にみると、「男」559.4千人、「女」713.2千人、年齢階級別にみると、「65歳以上」960.9千人、「75歳以上」698.8千人となっている。

「外来」7,191.0千人について、施設の種類別にみると「病院」1,630.0千人、「一般診療所」4,213.3千人、「歯科診療所」1,347.7千人、性別にみると、「男」3,053.7千人、「女」4,137.3千人、年齢階級別にみると、「65歳以上」3,644.8千人、「75歳以上」2,080.3千人となっている。

推計患者数の年次推移をみると、入院では平成20年から減少しており、外来では平成17年からほぼ横ばいとなっている。年齢階級別にみると、入院では「0~14歳」「35~64歳」は減少傾向、「65歳以上」は増加傾向となっており、外来では「65歳以上」は増加傾向となっている。

(2)傷病分類別

 入院患者を傷病分類別にみると、多い順に「精神及び行動の障害」252.0千人、「循環器系の疾患」228.6千人、「新生物(腫瘍)142.2千人となっている。外来患者では、多い順に「消化器系の疾患」1,293.2千人、「循環器系の疾患」888.9千人、「筋骨格系及び結合組織の疾患」877.2千人となっている。

(3)在宅医療の現状

 調査日に在宅医療を受けた推計外来患者数は180.1千人であり、これを施設の種類別にみると、「病院」20.3千人、「一般診療所」105.2千人、「歯科診療所」54.6千人となっている。在宅医療の種類別にみると、総数では「往診」44.3千人、「訪問診療」116.3千人、「医師・歯科医師以外の訪問」19.6千人となっている。年次推移をみると、在宅医療を受けた推計外来患者数は平成17年までは横ばいであったが、平成20年からは増加している。

 (4)入院(重症度等)の状況

 入院(重症度等)の状況をみると、「生命の危険がある」5.9%、「生命の危険は少ないが入院治療を擁する」75.2% 、「受け入れ条件が整えば退院可能」12.9%、「検査入院」1.0%となっている。「受け入れ条件が整えば退院可能」は年齢階級が上がるに従い高くなっている。

 2 受療率

 全国の受療率(人口10万対)は、「入院」1,036、「外来」5,675です。

(1)性・年齢階級別

 性別にみると、入院では「男」972、「女」1,096、外来では「男」4,953、「女」6,360となっており、年齢階級別にみると、入院では「65歳以上」2,734、「75歳以上」3,997、「外来」では「65歳以上」10,369、「75歳以上」11,899となっている。

(2)傷病分類別

 傷病分類別にみると、入院では、高い順に「精神及び行動の障害」199、「循環器系の疾患」180、「新生物(腫瘍)112となっている。外来では、「消化器系の疾患」1,021、「循環器系の疾患」702、「筋骨格系及び結合組織の疾患」692となっている。

(3)傷都道府県別

 都道府県(患者住所地)別にみると、入院では、「高知」が2,101と最も高く、次いで「鹿児島」1,880、「長崎」1,803となっている。また、「神奈川」が706と最も低く、次いで「東京」745、「埼玉」753となっている。外来では、「佐賀」が7,115と最も高く、次いで「香川」6,952、「長崎」6,812となっている。また、「沖縄」が4,586と最も低く、次いで「京都」5,014、「長野」5,033となっている。

 3 退院患者の平均在院日数等

 (1)施設の種類・年齢階級別

 平成299月中の全国の退院患者について、在院日数の平均である平均在院日数を施設の種類別にみると、「病院」30.6日、「一般診療所」12.9日となっており、病院、診療所ともに短くなる傾向となっている。年齢階級別にみると、年齢階級が上がるに従い退院患者の平均在院日数は長くなっている。

(2)傷病分類別

 退院患者の平均在院日数を傷病分類別にみると、長い順に「精神及び行動の障害」277.1日、「神経系の疾患」81.2日、「循環器系の疾患」38.1日となっている。

(3)推計退院患者数の構成割合

 退院患者の在院期間別に推計退院患者数の構成割合をみると、病院は「0~14日」が68.2%、「15~30日」が15.7%、一般診療所は「0~14日」が83.5%、「15~30日」が8.1%となっている。

4 入院前の場所・退院後の行き先

 入院前の場所についてみると、推計退院患者1,459.2千人のうち「家庭」が88.0%となっている。また、退院後の行き先についてみると、「家庭」が83.8%となっている。

 5 主な傷病の総患者数

 主な傷病についての全国の総患者数は、「悪性新生物(腫瘍」」1,782千人、「心疾患(高血圧性のものを除く)1,732千人、「脳血管疾患」1,115千人となっている。

 

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/index.html

2019/03/04(月) 17:34