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Pepperを活用した治験の啓発 日本イーライリリーがパイロット運用の結果を発表

日本イーライリリーは、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」を用いて治験の啓発及び治験参加者の募集を促進するパイロット運用を行い、226日、結果を発表しました。Pepperを活用した初の事例で、全3医療機関を対象に行われた実験の結果、Pepperの設置をきっかけに患者さんと医療従事者の間で治験に関する会話が生まれ、3医療機関全てで患者さんからの問い合わせが入るなど、治験に対する認知向上と参加者募集の促進につながりました。

近年では、治験の対象となる患者さんの条件が複雑化したり、患者数が少ない疾患を対象にした試験が増加したりすることで、新薬開発に必要な治験への患者さんの募集が難しくなる傾向にあります。また、現在の医療環境では、患者さんにとって治験に関する情報を得にくく、治験を知る機会が少ないと考えられます。

本パイロット運用では、3医療機関で約1ヵ月から3ヵ月間にわたり、Pepperが待合室に設置され、「治験とは何か」、「クリニックで実施中の治験について」を患者さんに説明し、Pepperの説明を聞いて興味を持った患者さんは、医師や治験コーディネーターから治験の詳細説明を受けることができるようにしました。通常掲示している院内の治験啓発ポスターとPepperのコンテンツを同一にして行われ、ポスターとPepperという媒体の違いによる治験啓発の効果の差やPepperの設置による変化について、医療機関へのアンケート調査により検証しました。

パイロット運用の結果、Pepperの設置により、3医療機関全てで患者さんから問い合わせがあり、同意取得、登録につながった患者さんもいました。また、医療機関からは「患者さんとの会話が弾んだ」「治験のイメージが良くなった」「治験に対する認知・イメージが高まった」という回答が寄せられ、Pepperが治験の認知向上に貢献したことが示唆されました。

同社では、本パイロット運用をもとに、今後開始する治験において、Pepperの活用を院内治験啓発の選択肢の一つとできるように社内プロセスの整備を進め、より患者さんのニーズに沿った治験紹介を目指していきます。

 

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2019/03/01(金) 10:58