matsuda's blog

バルサルタン製剤の発がん物質検出に関する審議結果で事務連絡 厚生労働省

厚生労働省は、105日、医薬・生活衛生局医薬安全対策課及び監視指導・麻薬対策課名で、各都道府県衛生主管部(局)宛に「バルサルタン製剤における発がん物質の検出に関する平成30年度第8回医薬品等安全対策部会安全対策調査会の審議結果」について事務連絡を発しました。

先般、中国の製造所(Huahai)で製造しているバルサルタンの原薬から、ヒトに対して発がん性があるとされるN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)が検出されたことを受け、あすか製薬は、同社が製造販売するバルサルタン錠「AA(20mg40mg80mg及び160mg)の自主回収を行いました。

今般、平成30年度第8回医薬品等安全対策部会安全対策調査会において、バルサルタン錠「AA」の服用による健康への影響評価及び今後の対応について審議し、その結果を通知するものです。

1. バルサルタン錠「AA」の服用による健康への影響評価について

調査会では、バルサルタン錠「AA」の服用による健康への影響評価を行った結果、最もNDMA混入濃度の高い原薬から製造された160mg(最大用量)を販売期間の4年間毎日1錠服用した時の発がんリスクは、15千人から3万人に一人が生涯その暴露により過剰にがんを発症する程度のリスクに相当すると評価されました。

※バルサルタンの通常用量は、成人で140mg80mgであり、年齢、症状に応じて1160mgまで増量できる。

2.バルサルタン錠「AA」の原薬からN-ニトロソジエチルアミンが検出された件について

平成30913日、欧州医薬品庁(EMA)、アメリカ食品医薬品局(FDA)、カナダ保健省(HC)が、Huahaiの製造所で製造されたバルサルタンの原薬の一部のロットにおいて、新たにヒトに対して発がん性があるとされるN-ニトロソジメチルアミン(NDEA)が検出された旨公表しました。

厚生労働省は、あすか製薬に対して、これまで製造に使用した全ての原薬ロットについてNDEAの分析を行うよう指示し、その結果、これまで同社が使用した原薬9ロット中5ロットにおいて、0.26ppm2.5ppmNDEAが検出されました。調査会では、検出されたNDEAの量はNDMAに比べて微量であり、NDEAの含量を合算しても上記1.の健康への影響評価の結果に影響するとは考え難いとの結論となりました。

3. その他のバルサルタン製剤について

国内でNDMA及びNDEAが検出されたバルサルタン製剤は、あすか製薬のバルサルタン錠「AA」のみであり、他のバルサルタン製剤では検出されていません。

4. 今後の対応について

調査会における審議の結果、バルサルタン錠「AA」を服用された方に対して、下記の内容の情報提供がなされるよう、あすか製薬から関係医療機関等に文書で周知することになりました。

・バルサルタン錠「AA」は平成30821日に自主回収が終了しており、市場には流通していない旨

NDMA及びNDEAが検出されたバルサルタン製剤は、バルサルタン錠「AA」のみである旨

・バルサルタン錠「AA160mg(最大用量)を販売期間の4年間毎日1錠服用した時の発がんリスクは、15千人から3万人に一人が生涯その暴露により過剰にがんを発症する程度のリスクに相当する旨

・より低用量のバルサルタン錠「AA」を服用している場合や服用期間が短い場合はよりリスクは低くなる旨

NDMAに加えてNDEAが新たに検出されたが、量としては微量であり、発がんリスクの評価結果に影響するとは考え難い旨

・平成266月から平成283月までの期間にバルサルタン錠「AA」を処方された患者の人数は約19千人である旨

2018/10/10(水) 10:53