向精神薬の適正流通の徹底で通知 近畿厚生局
近畿厚生局麻薬取締部は、9月10日、部長名で「向精神薬の適正流通の徹底」について、各府県薬剤師会会長、関係団体長、府県衛生主管部(局)長宛に遵法精神の徹底を求める通知を発し、「このような違反に対しては、今後とも厳しく対処していく方針である」ことを示しました。
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今般、兵庫県内で薬局を経営する薬剤師が営利目的で不正に向精神薬を譲渡する事件が発生し、当部神戸分室が同薬剤師を麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕しました。
逮捕された薬剤師は、利益を上げるために、自身が経営する複数の薬局で適法に購入した向精神薬を含む医療用医薬品を各薬局から自ら持ち出し、インターネットを介して知り合った密売人に違法販売していたものです。
このような遵法精神の欠如した薬剤師が、一部とはいえ存在することは薬剤師の社会的信用を大きく損なうものであり、誠に遺憾です。
このような向精神薬の不正譲渡事件については、平成27年11月10日付通知「向精神薬の適正流通及び管理に関する監視指導の強化について」で注意喚起されていますが、より一層、向精神薬の適正な流通及び管理について遵守徹底が図られるよう周知を要請しています。
留意事項
1. 譲渡し
薬局開設者が向精神薬を譲り渡してよい相手方は、向精神薬処方せんを所持する者、病院・診療所・飼育動物診療施設の開設者、向精神薬卸売業者、向精神薬製造製剤業者、向精神薬使用業者又は向精神薬輸出業者等に限られています。
特に、常時、取引関係にない場合は、譲り渡しの相手方が向精神薬営業者、病院・診療所等の開設者等であることを事前に十分確認してください。
2. 薬局管理者の義務
薬局の管理者は向精神薬取扱責任者とみなされます。
向精神薬取扱責任者である薬局の管理者は、向精神薬の譲渡し、譲受け、保管、廃棄、向精神薬に関する記録等が適切に行われ、法に違反する行為が行われないように、薬局開設者を含めて業務従事者を監督しなければなりません。