matsuda's blog

検査台からの転落 医療機能評価機構が医療安全情報

日本医療機能評価機構は、815日、医療事故情報収集等事業 医療安全情報No.141「検査台からの転落」を提供しました。

検査や治療・処置の際に患者が検査台から転落した事例が9件報告されています(集計期間:201411~2018630日)。この情報は、第50回報告書「分析テーマ」で採り上げた内容をもとに作成しています。

事例1:頭部MRI検査をするために看護師と診療放射線技師で患者を検査台に移動させた。その際、看護師は患者が認知症であることを診療放射線技師に伝えなかった。診療放射線技師は、患者の頭部を固定し、意思疎通ができていると思い身体は固定しなかった。撮影開始10分後に患者が検査台にいないことに気付いた。検査室に入ると、患者は検査台の右側の床にうずくまっていた。その後、X線撮影を行い右大腿骨頚部外側骨折を認めた。

事例2:心臓カテーテル検査中、患者は鎮静されていた。検査の途中、物品を取りに行った看護師が検査室に戻った時、患者が右足からずれるように転落した。医師は患者に背を向け清潔台で作業しており、臨床工学技士は機器の操作中であり、診療放射線技師は画像の確認を行っており、誰も患者を見ていなかった。その後、頭部CT撮影を行い外傷性くも膜下出血を認めた。

事例が発生した医療機関の取り組みは、

・患者の病態を把握し、医療者間で患者の情報を共有する。

・患者が検査台から転落する危険性があることを認識し、患者から目を離さないように医療者間で声をかけ合う。

としています。

総合評価部会は「転落する危険性のある検査の際は、安全確保のため、患者に説明し身体を固定する」という意見を示しています。

 

https://jcqhc.or.jp/

2018/08/16(木) 12:42