第五次薬物乱用防止五か年戦略を策定 厚生労働省
厚生労働省は、8月3日、関係閣僚で構成される薬物乱用対策推進会議で「第五次薬物乱用防止五か年戦略」を策定、発表しました。今後は、「第五次薬物乱用防止五か年戦略」に基づいて、政府一丸となった総合的な薬物乱用防止対策を実施していきます。
平成25年8月に決定した「第四次薬物乱用防止五か年計画」から強化・新設した「第五次薬物乱用防止五か年戦略」の主な事項は以下の通りです。
【強化した主な事項】
(1) 密輸対策の強化
(強化の理由)・覚醒剤の押収量が2年連続で1トンを超えていること
・国境を超えた人・物等の移動の活発化
(主な取組) ○国内外の取締機関と連携した早期の情報入手
〇税関の検査機器など取締りに必要な資機材の整備と体制の強化
(2) 巧妙化・潜在化する密売事犯への対策強化
(強化の理由)・インターネット上の匿名性の高いウェブサイトの利用等の増加
(主な取組) ○協力事業者等からの通報やサイバーパトロールによる密売情報収集
〇海外の取締機関からの密売手口対策に関する情報収集
【新設した事項】
(1) 未規制物質等への対応
(新設の理由)・覚醒剤の類似物質や麻薬フェンタニルの類似物質などの流通
・大麻ワックスなど使用形態の変化した大麻の流通
(主な取組) ○海外の取締機関や国連からの薬物情報の収集と取締の強化
〇新しい乱用薬物等の毒性の評価、鑑定手法の研究とその活用
(2) 向精神薬を悪用した凶悪事件発生防止のための監視や取締り
(新設の理由)・向精神薬を悪用した凶悪事件(殺人・殺人未遂など)が多発
(主な取組) ○国内外での向精神薬の悪用などの乱用情報や依存実態の把握
〇向精神薬を取り扱う事業者における管理や不正流通の有無について徹底した監視や取締りの実施
併せて、「第四次薬物乱用防止五か年計画」と「危険ドラッグの乱用の根絶のための緊急対策」のフォローアップについても取りまとめました。