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診療記録開示に要する費用で通知 厚生労働省

厚生労働省は、720日、各都道府県衛生主管部(局)長宛に医政局医事課長名の通知「診療情報の提供等に関する指針について(周知)」を発しました。診療記録の開示に要する費用についての疑義が多数寄せられていることから、解釈を示したもので、管下の保健所設置市、特別区、医療機関及び関係団体等への周知を要請しています。

診療記録の開示に要する費用については、「実費」を勘案して合理的と認められる範囲内の額としなければならないとしていますが、ここにいう「実費」とは、内容の確認等により開示請求に対応する際に生じた人件費も含まれ得るものであるが、手数料として徴収することができる費用の額については、これらの費用を含めた実際の費用を勘案して合理的であると認められる範囲内とすることが必要としています。

通知では、医療機関における診療録の開示に係る実態調査の結果も示されています。

調査は、全国の特定機能病院及び大学病院(87病院)を対象として、平成29925~1016日に実施され、調査事項は①診療録の開示に要する費用、②診療録の開示の際の医師の立ち合いの有無、③遺族に対する診療録の開示手続、などです。

調査結果を踏まえ、診療記録の開示に当たって下記点に留意するよう求めています。

  診療記録の開示に要する費用は、実際の費用から積算される必要があるが、個々の申し立てに応じその費用が変わり得るところ、開示に要する費用を一律に定めることは不適切となる場合があること。

  医師の立ち合いを必須とすることは、患者等が診療記録の開示を受ける機会を不当に制限するおそれがあるため、不適切であること。

 

【調査結果概要】

(開示に要する費用)

  開示に要する費用については、「999円以下」が67%、「2,000~2,999円」が2%、「3,000~3,999円」が15%、「5,000円以上」が16%であった。

※白黒1枚を請求した場合の費用を集計。

(開示方法)

  開示方法については、「閲覧又は写しの交付としている」が82%であった。

(医師の立ち合い)

  医師の立ち合いの有無については、「必須」が5%、「求めがあれば」応じていた医療機関が57%であった。

(遺族に対する診療情報の提供)

  遺族に対する診療情報の提供については、ほぼ全ての医療機関が、申立人が診療記録の開示を求め得るものであることを証明するために、戸籍謄本・身分証明書(運転免許証)等の提出を求めていた。また、戸籍謄本に記載されている者や法定相続人の全員の同意を求めている医療機関もあった。

(開示決定者)

  開示決定者については、ほぼ全ての医療機関が、医療機関の管理者を開示決定者としていた。主治医や診療科長を開示決定権者とする医療機関でも、「部分開示」または「非表示」になる場合には、病院長が含まれる診療情報開示委員会等に諮問するとされていた。

(開示所要日数)

  開示所要日数については、2週間程度が38%3週間程度が37%4週間程度が25%であった。

2018/07/25(水) 14:56