世界保健機関と世界医師会が覚書に調印
昨年10月に世界医師会長に就任した横倉義武日本医師会長は、4月5日、スイスのジュネーブにある世界保健機関(WHO)本部において、WHOと世界医師会(WMA)が両組織の間の協力関係を確認するとともに、今後その関係をより強固なものとすることを目的とした覚書(MOU)に調印を行いました。WMAとWHOがこのような正式な覚書に調印するのは初めてのことです。
WMAから4月5日に出されたプレスリリースは次の通りです。
<世界保健機関(WHO)と世界医師会(WMA)が覚書に調印>
WHOとWMAは、両組織の間の協力関係を確認するとともに強化するための覚書(MOU)に署名した。
本日、ジュネーブのWHO本部における調印式にて、WHOとWMAは、健康の開発、改善と保護、および健康の社会的決定要因に関する対策を含む、共通して関心のあるトピックについての理解を促進することで合意した。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレェサス事務総長とWHAの横倉義武会長は、覚書に共同で署名し、その中で両組織にとって二つの優先目標は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成と緊急災害対策の改善であると明言している。
横倉WMA会長は、「WMAは、公的関係を持ってきたWHOと長年にわたり協力関係を続けている。しかし、本日署名の覚書は、われわれ両組織が国家・地域レベルでも世界レベルでも取り組むことができるいくつかの具体的な協力分野を設定している」と述べた。
これには、医師とその専門職組織の役割に重点を置いたユニバーサル・ヘルス・カバレッジ・オブ・オールの実現が含まれており、これは医療従事者の概念や積極的な参加、およびその教育、雇用ならびに管理の強化について理解を容易にするものである。
また、さらにこれに含まれるものとしては、健康関連の人権を積極的に促進することと世界中の人々のために医の倫理の十分な尊重を保証することであり、これには健康の社会的決定要因への対策実施による「ヘルスケア分野での差別撤廃に関する国連共同声明」の実行のための支援も含まれる。
最後に、WHOとWMAは、医師とその専門職組織の役割に重点を置いた国家および国際レベルでの緊急災害対策システムの強化と発展について合意した。