アストラゼネカは、2月26日、重症気管支喘息患者と医師への調査結果を発表。喘息が重症化している患者さんの9割に重症の自覚がなく、辛さや不安を抱えていても7割が現在の生活の改善を考えていないことを明らかにしました。
アストラゼネカは、重症の喘息患者さんを取り巻く現状や重症喘息に関わる治療実態を明らかにすることを目的とした患者・医師調査を、国際医療福祉大学臨床医学研究センター足立満教授の監修のもと実施しました。調査対象は、ガイドラインの定義により重症と判断される喘息患者さん100名と、重症喘息患者さんの治療に携わる専門医・非専門医それぞれ100名、合計200名です。
調査はインターネット調査で、患者調査は全国の重症患者さん100名(男性50名、女性50名)、医師調査は全国の重症喘息患者さんを診察している医師200名(専門医100名、非専門医100名)を対象に2017年12月15日~12月26日に実施しました。
喘息患者さん全体のおよそ5~10%が重症の患者さんと言われていますが、重症喘息は現状、治療の選択肢が少なく、コントロール不良の重症喘息は死に至ることもある過酷な疾患で、患者さんは頻回な症状増悪や、呼吸機能低下という身体的な負担のほか、生活の質(QOL)の著しい制限など社会経済的な負担を余儀なくされていると言われています。
今回の調査では、日本の重症喘息患者さんの実状が明らかになりました。
考察1:重症喘息患者さんは、ガイドラインの定義ではコントロール不十分または不良と判断される状態にも関わらず、自分の喘息の状態は中等症・軽症で、コントロールが良いと考える人が多い
考察2:重症喘息患者さんは日常、風邪を引けない、いつ喘息の発作が起きるかわからない、などの不安を抱えている
考察3:重症喘息患者さんの約7割が、現在の生活の改善を考えておらず、そのうち約8割は現在の治療の継続ではこれ以上は改善されず現状維持にとどまると考えている
考察4:新しい治療である生物学的製剤について知らない患者さんが7割
考察5:一方で、重症喘息患者さんは、今の治療よりも自分の症状コントロールを改善し、副作用が少なく、効きめが早いなどの期待に応える新しい治療法があれば、挑戦したいという意欲が高い
考察6:重症喘息治療に携わる専門医の9割以上は生物学的製剤の処方経験があった
考察7:重症喘息治療に携わる医師は、患者さんが新しい治療に対してより良い症状コントロールを期待していると考えている
考察8:生物学的製剤の処方経験がある医師のうち、生物学的製剤の症状のコントロールや効果の強さ、即効性について同意する医師は約6~8割だが、「とても同意する」は約2~3割
考察9:生物学的製剤の処方経験がある医師の約半数は、経口ステロイド薬処方前の早い段階で生物学的製剤の投与を検討するが、実際は経口ステロイド薬の投与開始後に生物学的製剤を追加投与する
考察10:重症喘息治療に携わる医師は、経口ステロイドの長期連用、副作用、依存性や抵抗性を懸念している
考察11:医師と患者さんとのコミュニケーションでは、症状や治療についての情報に比べ、日常の困りごとについては十分に共有されていない可能性がある
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