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医療費の地域差分布を発表 厚生労働省

厚生労働省は、825日、医療費の地域差分布を発表しました。

この調査は、都道府県や市町村別にみた医療費水準の地域差についてまとめたもので、◇市町村国民健康保険の地域差、◇後期高齢者医療制度の地域差、◇市町村国民健康保険+後期高齢者医療制度の地域差がまとめられています。

医療費の地域差の要因としては、(1)人口の年齢構成、(2)病床数等医療供給体制、(3)健康活動の状況、健康に対する意識、(4)受診行動、(5)住民の生活習慣、(6)医療機関側の診療パターンなど様々ですが、本分析では、(1)の人口の年齢構成の相違による分を補正した「1人当たり年齢調整後医療費」と、それを全国1人当たり医療費で指数化した「地域差指数」を用いて地域差の比較を行いました。

結果の概要は次の通りです。

<都道府県別の地域差について>

1人当たり年齢調整後医療費を都道府県別にみると、北海道と西日本が高く、東日本が低い傾向にある。また、1人当たり実績医療費に比べ、その差が小さくなっている。

〇過去5年間の推移をみると、最大最小比はほぼ横ばいであり、1人当たり年齢調整後医療費の上位5都道府県、下位5都道府県も概ね変わらない(上位5都道府県:1位佐賀県、2位鹿児島県、3位長崎県、4位大分県、5位香川県、下位5都道府県:47位茨城県、46位千葉県、45位愛知県、44位埼玉県、43位栃木県)。診療種別にみると、最大最小比は入院でやや拡大している傾向がある。

<都道府県別の地域差の各種寄与について>

1人当たり年齢調整後医療費を診療種別及び年齢階級別にみると、診療種別では入院の寄与度が比較的大きく、年齢階級別だと60歳以上(市町村国民健康保険)及び75歳以上89歳以下(後期高齢者医療制度)の寄与が比較的大きい。

〇疾病分類別の寄与をみると、入院では「精神及び行動の障害」(市町村国民健康保険)、「循環器系の疾患」(後期高齢者医療制度)などの寄与が大きく、入院外+調剤では「腎尿路生殖器系の疾患」(市町村国民健康保険)、「循環器系の疾患」(後期高齢者医療制度)の寄与が大きい。

〇地域差指数の三要素別寄与度をみると、地域差指数の高い都道府県は受診率(入院)の寄与度は概ねプラスであり、1日当たり医療費(入院、入院外+調剤)の寄与度は概ねマイナスである。

〇診療種別の地域差指数をみると、入院の地域差指数は差が大きく、入院外+調剤の地域差指数の差は小さい(歯科の地域差指数の差もやや大きい)。また、入院の三要素(1日当たり医療費、平均在院日数、新規入院発生率)別寄与度をみると、地域差指数の高い都道府県は、1日当たり医療費の寄与度は概ねマイナスであり、平均在院日数及び新規入院発生率の寄与度は概ねプラスであるが、山口県は平均在院日数の寄与が大きく、大分県は新規入院発生率の寄与が大きいなど、寄与度の大小については都道府県によって違いがある。

2次医療圏別及び市町村別の地域差について>

〇地域差指数を2次医療圏別、市町村別にみても、概ね北海道と西日本が高く、東日本が低い傾向にある。また、1人当たり実績医療費の対全国比に比べ、その差が小さくなっている。また、地域差指数が上位の市町村は比較的被保険者の少ない自治体が多い。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/database/iryomap/index.html

2017/08/30(水) 11:52