うつ傾向のある人の意識と行動に関する調査結果を発表 塩野義製薬
塩野義製薬は、5月17日、うつ傾向のある人の意識と行動に関する調査結果を発表しました。「精神的・身体的な不調の相談意向があるものの、身近なかかりつけ医に実際に相談している人は約1割」となっています。
この調査は、2016年2月に、うつ傾向のある人の意識と行動の実態を把握することを目的に実施しました。
うつ病の患者数は厚生労働省の統計で約73万人と推計されています。さらに、うつ病・うつ状態でありながらも、医療機関で診断・治療を受けていない潜在的な患者が230万人存在するとも推定されており、うつ症状を相談できていない方がまだ多く存在することが分かっています。しかしながら、うつ病・うつ状態を放置することで症状の悪化や、治療の長期化などが問題になるため、早期発見・早期治療が重要であると言われています。
そのような背景から、塩野義製薬では、うつ傾向になる方々が身近なかかりつけ医に精神的な不調を含めどのように相談されているのか、またその要因についてより深く現状を把握するために調査を行いました。
調査は、2016年2月にインターネット調査(全国)で実施。事前調査は一般生活者の男女20~69歳19975人、本調査は事前調査回答者19975人のうち、二質問法(「最近1ヵ月間、気分が沈んだり、憂鬱な気持ちになることがよくあった」または「最近1ヵ月間、物事に対して興味がわかない、心から楽しめないことがよくあった」のいずれか1項目該当で「うつ傾向あり」と判定)で「うつ傾向あり」かつ「うつ病の診断なし(及び最近専門医に受診していない)」に該当する2028人です。
【調査結果要約】
<事前調査結果より>
二質問法でうつ傾向がある人のうち、現在「うつ病/うつ状態」の診断・治療を受けている人は8.1%でした。また、うつ傾向がある人の43.6%は最近内科を受診しており、内科医との接点は少なくないことが示唆されました。うつ傾向のある人が抱える不調として、「物事を悪い方向に考えてしまう」「いつも楽しいことが気がすすまなくやる気が出ない」といった精神的不調や、「疲労倦怠感」「肩の痛み」「睡眠障害」「頭痛・頭重感」といった身体的不調が多くみられました。
<本調査結果より>
うつ傾向がありながらも、うつ病の診断・治療を受けていない"うつ未診断者"のうち、身近なかかりつけの内科医がいると回答した人は約半数でした。
そのような内科医がいても、「専門外のことでも相談できる」と回答した人は22.4%であり、精神的・身体的不調について相談意向があって、実際に相談した人は約1割であることが明らかになりました。