薬価制度抜本改革で日米欧4製薬団体が声明
日本製薬団体連合会、日本製薬工業協会、欧州製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会在日執行委員会は、それぞれの会長(委員長)の連名で、11月30日、「薬価制度の抜本改革に向けて」の声明を次の通り発表しました。
今般、経済財政諮問会議の議論を踏まえ、中央社会保険医療協議会において、薬価制度の抜本改革に向けての検討が開始されたところですが、医薬品の研究開発・安定供給を通じて国民医療への貢献を使命とする製薬業界の立場らか、次のとおり意見を表明します。
1. 今回の改革の基本的な狙いは、先のオプジーボの薬価の緊急改定プロセスで示されたような現行薬価制度の有する構造上の問題や欠陥を補完し、是正しようとするものであると認識しており、業界としても、このような改革には、前向きに議論に参画し、協力する。
2. しかしながら、現在、診療報酬改定の一環として2年に1度実施されている薬価の全面改定を毎年実施するような政策に対しては、国際競争が一層激化する今日、企業の競争力を弱体化させ、国の成長戦略の方向性に大きく矛盾するものとして、断固反対するものである。薬価の毎年改定は、イノベーションの創出や医薬品の安定供給等、保険医療に貢献する医薬品の提供に重大な支障を及ぼすことになる。
3. 「イノベーションの推進」と「国民皆保険の持続性」が今回の改革の二本柱であるが、イノベーション評価の方向性については、具体性に乏しく、少なくとも業界がかねて主張してきた新薬創出等促進加算の定着を明確にするなど、企業経営に中長期的な見通しを確保し、研究開発投資のインセンティブとなる政策を強く期待したい。
なお、政府においては、薬価や研究開発税制など、総合的な視点からの産業政策の取り組みを是非ともお願いしたい。
2016/12/07(水) 15:23