28年度緊急薬価改定 オプジーボ50%引き下げを了承 中医協総会
中央社会保険医療協議会の第339回総会は、11月16日に開催され、平成28年度緊急薬価改定について審議し、オプジーボの50%引き下げを了承しました。
薬価に係る緊急的な対応については、
○近年、一部の抗がん剤など、革新的ではあるが、単価が高く、市場規模の極めて大きな薬剤が登場している。
これらの中には、効能・効果の追加や用法・用量の拡大により当初の想定を超え、大幅に市場が拡大するような薬剤が見られる。
○一方で、薬価改定は薬価調査に基づく2年に1度の実施を基本的ルールとしており、このルールを突然大きく変更することは、製薬企業における経営の予見可能性を大きく損なうことから、平成30年度薬価改定に向けて、このような事態にも対応し得る制度を構築することが基本となる。
○ただし、効能・効果の追加や用法・用量の拡大により当初の想定を超え、既に大幅に市場が拡大している薬剤については、平成30年度薬価改定までこの薬価を維持することによる医療保険財政への影響が極めて大きいことから、緊急的に対応を講ずることとする。
としています。
今回の緊急的な対応は、これまでの薬価改定のルール外の対応を講ずるものであり、従来の仕組みの考え方を踏まえた一定の範囲について対応することが適切であることから、①市場拡大してから次期改定までの期間が長期にわたるものであって、②市場拡大の程度が極めて突出した薬剤を対象とする、としており、具体的には①としては、次期改定までの期間が2年を超えることとなる、薬価調査の実施月の翌月から薬価改定が行われるまでに効能追加等がなされた薬剤とし、②としては、平成28年度年間販売額が1000億円を超え(市場拡大再算定(特例)の市場規模の要件)、かつ、薬価収載された時点における予想年間販売額に対して10倍以上(市場拡大再算定の最も厳格な市場拡大率の要件)となる薬剤所対象とする。
としています。
緊急薬価改定の基準は、平成27年10月から平成28年3月までに効能・効果又は用法・用量の一部変更が承認された既収載品で、平成28年度の企業予想年間販売額(薬価ベース)が1000億円を超え、かつ、薬価収載された時点における予想年間販売額に対して10倍以上となる既収載品で、調査の結果、オプジーボ点滴注20㎎・100㎎が該当する薬剤であり、企業予想年間販売額は、仕切価格(出荷価格)ベースで1260億円と公表されており、これに流通経費、消費税、乖離率に加え、今後の効能追加を考慮すると、薬価ベースで平成28年度販売額は1500億円を超えるものと推計できることから、中医協が了解した計算方法(年間販売額の合計額が1,000億円を超え1,500億円以下、かつ基準年間販売額の1.5倍以上となる場合及び年間販売額の合計額が1,500億円を超え、かつ基準年間販売額の1.3倍以上となる場合)で算定を行うと、50%引き下げとなり、20㎎が150,200円から75,100円、100㎎が729,849円から364,925円となります
この改正は平成29年2月1日から実施することとしました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000142573.html