健康食品・医薬品の知識と意識に関する調査を実施 くすりの適正使用協議会
一般社団法人くすりの適正使用協議会は、「健康食品・医薬品の知識と意識に関する調査」を実施し、その結果を3月9日に発表しました。健康食品と医薬品の違いについて理解不足が明らかになっています。
くすりの適正使用協議会は、くすりのリスクとベネフィットを検証し、社会に提示することで患者さんのメリットに寄与することを目的に、1989年に当時の研究開発指向型製薬企業11社によって設立され、創設当初より、医薬品の本質を評価する学問「薬剤疫学」の普及、医薬品適正使用情報「くすりのしおり」の提供など、医薬品の本質の理解促進と正しい使い方の啓発活動を行ってきました。2012年度からは「医薬品リテラシーの育成と活用」をキーコンセプトに活動を行っています。現在、製薬企業会員23社、賛助会員1社、個人会員4名で構成されています。
今回の調査は、食品の機能性表示が平成27年4月に解禁されてから約1年が経過し、医薬品と似た機能を掲げた食品・サプリメントが増えていることから、一般の方々の、機能性表示食品を含む健康食品と医薬品の知識と意識の実態を明らかにするために行ったもので、一般成人男女600名を対象にインターネット調査により実施されました。調査期間は2016年2月5日~2月8日、調査対象は全国の20代~70代の男女600名(各年代100名ずつ)です。
1.主な調査結果
①
健康食品の副作用に関する理解:健康食品に「副作用がある」ことを理解していない人が半数以上(正しく理解していない:55.9%)
②
健康食品の効き目に関する理解:同じ効能や機能がうたわれていても、健康食品と医薬品では「効き目が違う」ことを理解していない人が約4割(正しく理解していない43.3%)
③
医療関係者とのコミュニケーションについて:2人に1人が、健康食品と医薬品の併用を医療関係者に伝えたことがない(50.7%)。その主な理由は「特に伝える必要がないと感じたため」(70.6%)
2.その他の調査結果
①
機能性表示食品の理解:機能性表示食品の意味を「理解していない」人が約7割。
機能性表示食品の使用経験があると答えた人を対象に、利用した機能性表示食品を回答してもらったところ、特定保健用食品(トクホ)等の「機能性表示食品以外を回答した」人が8割以上
②
健康食品の摂取目安量の認知:お茶やヨーグルトなどの健康食品にも摂取目安量があることを知らない・気にしたことがない人は約7割。更に使用経験があると回答した人の約6割が目安量を越えて接種している可能性
今回の調査から、健康食品全般及び機能性表示食品、そして健康食品と医薬品の違いに関する理解はまだまだ低いことが分かりました。また医薬品との併用時には相互作用の可能性があるために注意が必要ですが、その認識も弱いことが浮き彫りになっています。