患者のための薬局ビジョンで見解 日本薬剤師会
厚生労働省は、10月23日に「患者のための薬局ビジョン」を公表しましたが、日本薬剤師会は同日、見解を公表しました。
本日、厚生労働省より「患者のための薬局ビジョン」が公表されました。
本ビジョンは、医薬分業の持つ意義の大きさは評価した上で、薬局の役割が十分に発揮されていないとの指摘を踏まえ、患者本位の医薬分業の実現に向けて、かかりつけ薬剤師・薬局の今後の姿を明らかにするとともに、団塊の世代が後期高齢者となる2025年、更に10年後の2035年までの長期の姿を見据え、現在の薬局をかかりつけ薬局に再編する道筋が提示されています。
本ビジョン作成に当たっては、本会として、かかりつけ薬剤師・薬局に必要な機能等について厚生労働大臣に対し意見を申し上げてきたところであり、本ビジョンには、正に本会が目指してきた薬剤師像・薬局像が示されています。厚生労働大臣をはじめ、本ビジョンの作成に携わっていただいた関係者の方々のご尽力に、衷心より感謝申し上げます。
本ビジョンには、「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へとの副題が記載されるとともに、ビジョン全体を貫く基本的な考え方として、「立地から機能へ」、「対物業務から対人業務へ」、「バラバラから一つへ」とのキャッチフレーズが示され、目指すべき医薬分業の姿が極めて判りやすく説明されています。そして、「かかりつけ薬剤師・薬局の今後の姿」が具体的に示されるとともに、厚生労働省として、かかりつけ薬剤師・薬局の普及を目指した新たな指標を設定して政策評価を行うとされており、例示された「かかりつけ薬剤師・薬局の数」等の指標についてモニタリングを実施するとしています。
本会では、これまでも、かかりつけ薬剤師・薬局の活用を推奨しており、平成25年4月には「薬剤師の将来ビジョン」を公表するとともに、本年9月には、地域住民・患者から信頼される「かかりつけ薬剤師」「かかりつけ薬局」の役割について改めてとりまとめ、会員に周知したところです。
本会としては、本ビジョンを広く周知していくとともに、全国いずれの地域においても患者本位の医薬分業が実施され、患者・住民から評価されるよう、他の医療関係者との信頼関係を培いながら、覚悟をもって、真摯に取り組んでまいります。