ロート製薬が琉球大学内に再生医療研究センターを設置
ロート製薬は、6月26日、「琉球大学内に再生医療研究センターを建設し、寄贈した」ことを発表しました。現在、同社が取り組んでいる脂肪由来幹細胞を使用した再生医療の基盤研究を進め、共同研究を行うとともに早期の医薬品開発を目指します。
近年、ヒトES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)、あるいはヒト成体組織から採取可能な間葉系幹細胞などを用いた新しい治療方法として再生医療が注目されています。
再生医療研究は、これまで根治させることが困難とされていた、重症心不全や脊椎損傷、肝硬変などの難治性疾患治療に対して有用であるという報告もあり、世界中で再生医療の可能性に対する期待が高まっています。中でも体性幹細胞はヒトでの臨床評価の事例が多く、安全性も高いことから非常に注目されています。
ロート製薬はこのような背景から体性幹細胞に注目し、体性幹細胞の活性化や外部因子の研究により、病気の治療だけでなく、将来的には予防医療にも繋がるのではないかと考え、体性幹細胞の実用化を促進する「再生医療研究企画部」を2013年に設立しました。
現時点では、体性幹細胞の中でも脂肪幹細胞に着目し、無血清・アニマルフリー培地技術を活かして、脂肪幹細胞を使用した再生医療領域での国際的な開発競争をリードすべく、医薬品としての早期実用化を目指しています。
研究内容は「脂肪幹細胞を用いた基礎研究並びに臨床研究」で、目標は「脂肪組織を用いて分化能や効果の優れた沖縄特有の脂肪幹細胞を見出し、細胞の特性解析、種々薬理薬効評価を基に、各種疾患に対する治療薬開発を行うこと」です。
2015/07/02(木) 14:20