骨太の方針で見解 日本ジェネリック製薬協会
日本ジェネリック製薬協会は、7月1日、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太の方針)について、特にジェネリック医薬品の価格算定ルールの見直しについて見解を発表しました。
今般閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」に、薬価・調剤等の診療報酬及び医薬品等に係る改革として、「後発医薬品に係る数量シェアの目標値については、2017年(平成29年)央に70%以上とするととともに、2018年度(平成30年度)から2020年度(平成32年度)末までの間のなるべく早い時期に80%以上とする」こと、及び「2017年央において、その時点の進捗評価を踏まえて、80%以上の目標の達成時期を具体的に決定すること」が明記されました。
同基本方針にジェネリック医薬品の一層の使用促進を強く謳っていただいたことに対し、日本ジェネリック製薬協会として大変有り難く受け止めているところでありますが、日本のジェネリック医薬品業界各社は、まさに他の先進国に例を見ない急激な数量シェア増に対応するための大規模な生産設備への投資判断を直ちに迫られることになりました。
一方で、同基本方針には、「国民負担を軽減する観点から、後発医薬品の価格算定ルールの見直しを検討する」とも記載されており、このような見直しが現実のものとなった場合には、投資回収の予見性が著しく低下することになります。その結果、ジェネリック医薬品業界各社のみならず、原薬、流通、機械設備などの関連業界、さらには金融機関までもが投資判断を躊躇せざるをえない事態になることが予測されます。
後発医薬品に係る薬価算定ルールにつきましては、平成26年改定において初収載薬価の引き下げ、価格帯の集約などのきわめて大きな変更が行われたばかりです。この変更による影響の検討が十分になされないまま、さらなる薬価算定ルールの見直しを行うことは、上記目標の達成を阻むものとなりかねないと憂慮しております。
日本ジェネリック製薬協会といたしましては、今回設定された目標の達成に向け、協会一丸となって取り組んでまいる所存ですが、今後の後発医薬品の価格算定ルール見直し議論につきましては、前述の趣旨を十分にご勘酌いただき、慎重な検討が行われることを強く要望いたします。