薬剤費抑制策に関して製薬3団体が共同声明
日本製薬団体連合会、日本製薬工業協会、日本ジェネリック製薬協会は、5月27日、薬剤費抑制策に関する共同声明」を発表しました。
日本製薬団体連合会:医薬品製造業者を会員とする地域別団体及び業態別団体により構成する連合会
日本製薬工業協会:研究開発志向型の製薬企業が加盟する任意団体
日本ジェネリック製薬協会:ジェネリック医薬品メーカーを会員とする団体
現在、政府の経済財政諮問会議において、いわゆる骨太方針や財政健全化計画の策定に向け、薬剤費を含む歳出の削減に関する具体的施策が種々検討されていますが、製薬産業として下記の通り意見を表明します。
記
(薬剤費の抑制策について)
経済財政諮問会議において、保険収載範囲の縮小、薬価の毎年改定の提案など、とりわけ薬剤費の抑制を念頭においた性急な議論が進行していることに対しては、患者視点の医療の実現と製薬産業の健全な発展を希求する製薬産業団体として極めて大きな危惧の念を抱かざるを得ない。
(後発品の普及策について)
後発品の使用促進については、世界の潮流や保険財政への貢献などの観点から、着実にこれを推進していくべきことは異論のないところである。しかしながら、これまで進められてきた普及計画(2017年度内に60%)に代わる新たな目標水準の設定や目標達成期間の見直しに当たっては、後発品メーカーにおける安定的な製品供給能力、先発品メーカーの新薬創出力の強化、医師や薬剤師など医療当事者や患者の理解の促進等、医療や産業の実態を踏まえた総合的な視点からの政策的アプローチが必要不可欠と考える。
(製薬産業を真の成長産業に)
政府が策定した日本再興戦略、健康医療戦略などにおいては、製薬産業を今後の我が国経済を牽引するリーディング・インダストリーの一つとして支援していく姿勢を明確にしているが、このような国家としての長期的な政策目標や大局的観点を見失い、財政健全化に比重を置き過ぎた政策によって産業の成長力を奪い去ってしまうことがないよう、バランスのとれた政策を実現することが極めて重要であり、ここに関係団体の総意をもって強く要請するものである。