matsuda's blog

後発医薬品の使用状況調査報告 日本ジェネリック製薬協会

日本ジェネリック製薬協会は、511日、「後発医薬品の使用状況に関する調査」の結果を公表しました。

後発医薬品の使用促進については、厚生労働省において平成254月に「後発医薬品のさらなる促進のためのロードマップ」が策定され、国全体で平成30年度末60%という新たな目標が策定されました。また、その目標達成のための課題が示され、行政、医療関係者、医薬品業界などにおいて、これら課題への取り組みが行われています。この結果、後発医薬品の数量シェア(新指標)は50.0%(平成2610~12月、日本ジェネリック製薬協会調べ)まで上昇しており、使用促進は着実に進んでいます。一方、平成264月に実施された薬価制度改革では、後発医薬品の薬価のあり方が大きく見直され、薬価制度の面からも後発医薬品を取り巻く環境は大きく変化してきています。

今回の調査は、平成26年度診療報酬改定及び薬価制度改革を踏まえて、保険薬局における後発医薬品の使用状況等を把握し、後発医薬品の今後の更なる使用促進に係る検討資料とすることを目的に実施されました。

調査は、本年2~3月に郵送発送・郵送回収によって実施され、2,000施設に対して回収は715施設、回収率は35.8%でした。

【調査対象薬局の概要】

○同一法人内の店舗数:1店舗が30.9%で最も多く、平均値は47.4店舗であった。

○処方箋の応需状況:「主に近隣にある特定の診療所の処方箋を応需している薬局」51.0%が最も多く、次いで「様々な保険医療機関(病院・診療所)からの処方箋を応需している薬局(いわゆる「面分業」薬局)21.0%、「主に近隣にある特定の病院の処方箋を応需している薬局」17.8%であった。

○後発医薬品の調剤割合:平成26121か月間については、「65%以上」35.4%が最も多く、次いで「55%以上65%未満」28.7%、「45%以上55%未満」14.7%であった。

○保険調剤による売上の割合:総売上に占める保険調剤による売上の割合は、「80%以上」85.0%が最も多かった。平均値は90.4%であった。

○処方箋の1カ月当たり受付回数:「1000以上2000未満」38.2%が最も多かった。平均値は1136.6回であった。

【後発医薬品の使用状況に関する調査結果】

○後発医薬品に関する認知度:「よく知っている」もしくは「少し知っている」と回答した割合でみると、後発医薬品への変更調剤に関する事項の認知度が、薬価に関する認知度を上回る結果となった。

○銘柄処方された後発医薬品の在庫がない場合の対応:「在庫がある他の後発医薬品に変更して調剤する」71.6%が最も多く、その他の対応策については全て10%を下回った。

○後発医薬品の採用権限の状況:「貴局が全ての後発医薬品の採用権限を有している」58.2%が最も多く、次いで「原則として法人本部や経営者が後発医薬品の採用を行っているが、一部の後発医薬品については、貴局が採用情報を有している」35.4%であった。

○後発医薬品を採用する際、重視する事項:「大変重視する」もしくは「やや重視する」のいずれかを回答した薬局の割合でみると、「メーカーや卸が十分な在庫を有しており、品切れが発生しないこと」95.5%の回答が最も多く、次いで「配送が充実していること(納品までの期間が短い 等)」94.2%、「信頼できるメーカーであること」92.1%など供給面を含めたメーカーとしての体制を重視する回答や、「適応症(効能効果・用法用量)が先発品と一致していること」90.0%、「有効性・安全性・品質等に関する情報提供(量)が多いこと」88.9%などの回答が上位を占めた。

○患者に初めて後発医薬品を調剤する際の説明頻度:「必ず説明する」もしくは「よく説明する」のいずれかを回答した薬局の割合でみると、「先発医薬品との薬価の差があり、患者の窓口負担が軽減されること」85.7%が最も多く、次いで「有効性・安全性・品質に関する情報が開示されていること」55.4%、「医療費の適正化につながり、国民皆保険制度の維持に貢献できること」50.2%であった。

○後発医薬品の使用促進方策の効果:「大変効果がある」もしくは「やや効果がある」のいずれかを回答した薬局の割合でみると、「後発医薬品に関する安定供給体制の確保」92.9%、「後発医薬品に対する患者の理解の向上」92.7%、「医師や薬剤師に対する後発医薬品の品質保証が十分であることの周知徹底」85.2%であった。

○平成26年度診療報酬改定及び薬価制度改革等により起こった事柄:「大半あてはまる」もしくは「ややあてはまる」のいずれかを回答した薬局の割合でみると、「更なる後発医薬品の使用促進のため、入手できない後発医薬品があるなど、安定供給面で不安を感じることがあった」67.8%が最も多く、次いで「後発医薬品が一般的名称に切り替わった際、患者が手元の残薬(先発医薬品や旧名称の後発医薬品等)と重複して服用しないか不安に感じた」65.9%、「後発医薬品が一般的名称に切り替わった際、調剤システム等が更新・整備される(マスク更新 等)まで調剤ミスやヒヤリ・ハット事例が発生し、現場が混乱した」44.8%であった。

 

http://www.jga.gr.jp/

2015/05/12(火) 12:40