27年度予算・税制改正で要望 日本薬剤師会
日本薬剤師会は、6月20日の記者会見で、「平成27年度予算及び税制改正に関する要望」を発表しました。6月11日付で田村憲久厚生労働大臣宛てに提出したものです。
要望は、
地域における薬剤師は、在宅医療・介護において、入院から地域そして在宅へと医師等多職種と連携し、安心で安全、シームレスな医療提供体制の確保に貢献していかなければなりません。そして、健康づくりへの取り組みについては、医療保険や介護保険への対応だけではなく、日本再興戦略で「薬局を地域に密着した健康情報の拠点として、(中略)薬局・薬剤師の活用を促進する」とされているように、生活者からの相談などに適切に対応し、受診勧奨や一般用医薬品等の供給、生活指導などを行うことによって、疾病の予防や重症化を防ぐという役割が期待されています。健康日本21(第2次)では、地域住民が身近で気軽に専門的な支援・相談が受けられる民間団体の活動拠点の整備目標が掲げられており、地域健康支援拠点としての薬局機能の充実を図り、地域の最も身近な健康ステーションとしての薬局・薬剤師を活用した「かかりつけ機能」の着実な推進、在宅医療への積極的な参画、認知症の早期発見・薬剤管理、ジェネリック医薬品の使用促進など、「顔の見える薬剤師」として、求められる役割を果たしていきたいと考えております。
また、薬剤師がチーム医療の中で薬の専門職として患者の医療安全を確保するため薬剤師の活用促進を図らなければなりません。
地域の薬局や病院診療所の薬剤師が、これらの課題に対応し、国民の健康な生活の確保・向上に一層寄与できるよう、所要の予算措置並びに税制改正について要望いたします。
というものです。
予算に関する要望事項は、
1.国民が安心して医療・介護を受けられる環境整備への予算措置
2.地域包括ケアシステムにおける薬局の活用
3.地域医療における健康情報拠点としての薬局の活用
4.地域医療確保のための薬局の体制整備
5.チーム医療推進における病院薬剤師の活用
6.薬学教育、生涯学習への支援
7.医療安全管理体制等の整備
8.公衆衛生・感染症対先
など。
税制改正に関する要望事項は、
<所得税・法人税関係>
1)医療安全に資する医療機器等に係る税制優遇措置について薬局もその対象とすること
2)薬学教育に係る長期実務実習費を収益事業から除外すること
3)薬価引き下げに伴う在庫医薬品の資産価値減少に対応した税制優遇措置を創設すること
4)「中小企業投資促進税制」における取得最低金額を引き下げること
5)保険調剤(社会保険診療報酬)に係る所得税の源泉徴収を撤廃すること
<消費税関係>
1)保険調剤(社会保険診療報酬)等に係る消費税の非課税制度を見直すこと
2)薬学教育に係る長期実務実習費に関して非課税とすること
3)要指導医薬品や一般用医薬品に関しても軽減税率の対象とすること
<地方税関係>
1)保険調剤(社会保険診療報酬)に係る個人事業税の非課税措置を存続すること
2)保険調剤(社会保険診療報酬)に係る個人事業税の非課税措置を創設すること
3)セルフメディケーションの推進に資する薬局に係る不動産取得税・固定資産税の軽減措置を創設すること