薬価毎年改定反対 日本薬剤師会が見解表明
日本薬剤師会は、6月10日、財政制度等審議会が主張する「薬価調査・薬価改定の毎年実施」について見解を表明しました。
平成26年5月30日に財政制度等審議会が取りまとめた「財政健全化に向けた基本的考え方」において、「薬価調査・薬価改定の毎年実施」が提言されています。
これに対し、日本薬剤師会は次の通り見解を発表しました。
<薬価調査・薬価改定の毎年実施について>
財政制度等審議会が主張する「薬価調査・薬価改定の毎年実施」については、反対いたします。
○ 健康保険制度における薬価と診療等は不可分一体の関係であるため、診療報酬改定と薬価改定はセットで行うことを前提としている。そのため、診療報酬改定とは無関係に薬価改定を実施すれば、診療報酬とのバランスを欠くこととなり、その財源を切り分けることは不適切である。
また、薬価改定の毎年改定の実施は、国民皆保険制度における薬剤給付にも影響を及ぼすことに繋がる。
○ 製薬企業のイノベーションに対する意欲を削ぐだけでなく、ジェネリック医薬品を含めた製薬産業の発展や創薬に向けた取組努力に影響を与えかねない。
○ 薬価改定を毎年実施すると、保険薬局や保険医療機関においてはレセコンのシステム改修が必要となり、その分の負担増を強いられる(1回10万円と仮定×全国5万5千薬局=約55億円の負担増)。
さらに保険薬局では、薬価改定(4月以降)からしばらくの間、薬価改定前(3月まで)の購入価よりも低い償還価格でレセプト請求せざるを得ない施設も多い。
○ 事務的負担という側面からみると、薬価調査を実施する側だけでなく、調査に協力する側である医薬品卸や保険薬局・保険医療機関にも過度な負担を強いることになる。
2014/06/13(金) 16:13