国民の安全・安心を守るための医療で緊急記者会見 日本医師会
日本医師会は、4月17日、緊急記者会見を開催し、「国民の安全・安心を守るための医療」について発表しました。
発表の内容は次の通りです。
国民の幸福の原点は健康であり、病に苦しむ人がいれば、何としても助けたいというのが医療人の願いであり、私たちの願いは、「必要とする医療が過不足なく受けられる社会づくり」に尽きます。
昨日の規制改革会議では「選択療養(仮称)」について議論がなされ、また、その会議では示されておりませんが、「厚労省案を軸に調整が進んでいる」と朝日新聞一面での報道もありました。
新しい医療の提供にあたっては、安全性・有効性を客観的に判断することが必須であり、さらに、将来の保険収載が大前提であります。
また、患者と医師の間には、医療について情報の非対称性が存在します。特に、高度かつ先進的な医療であれば、患者が内容を理解することは非常に難しく、患者の自己責任にゆだねることになります。治療困難な病気と闘っている患者は、藁にもすがる思いで安全性・有効性のない治療法や、エビデンスのない民間療法を選択させられてしまうおそれもあります。患者等の団体からも反対意見があがっており、患者・国民不在の議論となっています。
保険外併用療養は、安全性・有効性が確立され次第、速やかに公的医療保険に組み入れるための過渡的な取扱いとすべきで、保険収載されていないまま留め置くべきではありません。新たな医療が保険収載されなければ、資産や所得の多寡で受けられる医療に格差が生じ、必要な医療が受けられなくなってしまうおそれがあります。
保険外併用療養の運用は進んでおり、現在も十分に機能しています。さまざまな課題については、現行の保険外併用療養、特に評価療養の機動性を高めることで対応すべきと考えています。
医療における規制は、患者・国民の生命と健康を守るためにあり、日本医師会は保険外併用療養の拙速な拡大は、到底容認することはできません。