matsuda's blog

健康医療産業の創出など国家戦略特区を提案 大阪府・大阪市

大阪府と大阪市は、911日、国際戦略特区の提案について発表しました。

国では、「日本再興戦略」において、国家戦略特区の創設が位置づけられました。この国家戦略特区は、国・地方公共団体・民間が一体となって国の経済成長に大きなインパクトを与えるプロジェクトに、規制改革等を実行する体制のもとに取り組むもので、現在、国においてプロジェクトを組成するための具体的な提案募集が実施されています。

大阪府と大阪市は共同で医療イノベーション、世界と戦える都市などの提案を内閣府に対して行いました。

なお、国家戦略特区は国の「国家戦略特区ワーキンググループ」等で検討し、内閣総理大臣を長として設置される予定の国家戦略特区諮問会議で決定される予定です。

 

提案は、国家戦略特区プロジェクト提案(「世界最高水準の民の都」が日本をけん引!)と国家戦略特区に関する提案(岩盤規制に風穴を開け、民によるイノベーションを創出)で、国家戦略特区プロジェクト提案は総論と1.医療、2.世界都市、3.環境・エネルギー、4.インフラ・人材、5.税制・効果で構成されています。

「医療」は、「課題解決型のリーディング産業「健康医療産業」の創出」プロジェクトで、・医療産業の世界的な競争が激化する中、我が国の医療品・医療機器の貿易赤字は拡大し、世界に打って出られていない。再生医療、個別化医療など世界的に研究が進む分野でも実用化に遅れ、医療イノベーションの推進の取り組みが不可欠、とし、・世界最高研究水準の再生医療の実用化、日本とりわけ大阪の強みである「ものづくり力」を活かした医療機器の開発、がん治療の次世代技術開発など研究開発環境を整備し、医療イノベーションを大阪から世界に発信。世界市場の獲得と世界の健康寿命の延伸に寄与、として、

①免疫・再生医療等の未来医療産業化国際展開拠点の整備

②国際級のオープンイノベーション「複合医療産業拠点」形成

③集学的がん治療創出の国際拠点整備

④次世代がん治療法BNCTの国際医療研究拠点の整備

⑤健康食品の機能性表示認証制度の創設

⑥医療機器事業化促進プラットフォーム事業

⑦ロボット介護機器の実用化促進拠点の整備

を揚げています。

 

また、国際戦略特区に関する提案は、○御堂筋エリアなど都心部を対象とした「チャレンジ特区」、○最先端の医療サービスを提供する「国際メディカル特区」、○公立病院の経営改革に資する先進医療の保険診療併用特区、○「楽しい街」=「大阪高度集密都市」特区で、「国際メディカル特区」に関しては、1.外国人医療スタッフによる特区内医療看護の規制緩和、2.先進医療の推進・具体化のための混合診療の実施など、3.高度医療を提供するため、内外から患者を受け入れる医療機関に対する病床規制の見直し、4、株式会社による病院・診療所の参入拡大、を挙げています。

公立病院の経営改革に資する先進医療の保険診療併用特区に関しては、大阪府立病院機構の大阪府立急性期・総合医療センター、大阪府立成人病センター、大阪府立母子保健総合医療センター(大阪府立呼吸器・アレルギーセンター)、および大阪市立総合医療センターに限定し、「患者への治療効果を上げる」「患者の経済的負担を軽減する」「公立病院の経営改善を図る」「公立病院の医療提供機能の向上と、病院運営の持続可能性を高める」ことを目的として、・未だ厚生労働大臣に認められていない先進医療の保険診療との併用を弾力的に可能とする規制緩和を行い、大阪府立病院及び大阪市立病院において、先進医療を患者に実施する、・患者の負担軽減に寄与するとともに、医業収益の増加による赤字縮小、経営改善を図る、としています。

2013/09/13(金) 16:36