奈良県が漢方プロジェクトを推進
奈良県は、県にゆかりの深い"漢方"について、生薬の生産拡大から関連する商品・サービスの創出等に向けて、総合的な検討を行います。産業・雇用振興部工業振興課、医療政策部薬務課、農林部農業水産振興課が連携して事業を推進することとしており、平成25年度当初予算で併せて約2000万円が計上されています。
少子・高齢社会の到来を受け、増大する医療費削減の観点からも予防医学の意義が再認識されつつあり、漢方が世界的に注目を集めています。
奈良県は、漢方や生薬製剤について、奈良時代にまで遡る文化的・歴史的厚みや、地場産業として配置薬業が発展してきた他府県にない特徴があります。
今後、需要が見込まれる漢方に関し、こうした奈良県ならではの蓄積を活かし、原料となる薬用作物の生産、漢方関連商品の製造販売に関する既存の業振興もさることながら、関連する新たな商品・サービス業等の創出も視野に入れ、県内の産業活性化を図るものです。
事業内容としては、今後、"漢方"をテーマとしたプロジェクトを進めるに当たり、生薬生産の推進(薬草栽培者の人材育成、科学的価値に基づく栽培技術の標準化など)から、"漢方"関連製品の開発、一般消費者に向けた啓発活動まで、川上から川下までを見据え、以下のステージごとの課題に取り組みます。
ステージ1:生薬の供給拡大
ステージ2:漢方薬の製造
ステージ3:漢方薬の研究・臨床
ステージ4:漢方の普及
なお、25年度は、◇薬用作物生産に関わる人材確保:ICTを用いた科学的分析による栽培方法の標準化、薬用作物栽培指導者の育成、◇生産から販売までの一貫体制の推進:県産薬用作物の6次産業化を推進する取組に対し補助、◇産業につながる薬用作物研究の高度化:優良種苗育成及び生産技術の確立、省力化・低コスト化に向けた栽培技術の確立、◇生薬製剤、漢方薬の製造・販売促進:県産薬用作物を使用した県内企業による製品開発を支援、◇漢方薬の認知度向上:県民等を対象にした漢方シンポジウムの開催、などの事業が計画されています。