医師・患者対象に鼻閉で意識調査 サノフィ
サノフィ株式会社は、アレルギー性鼻炎患者を診察する全国の医師300名および全国のアレルギー性鼻炎患者1,000名を対象に、「鼻閉」に関するアンケート調査を実施し、1月28日にその結果を発表しました。
調査対象は、医師は抗ヒスタミン薬を処方する12歳以上の患者を10名以上診察する医師300名(内科系:開業医(99床以下)100名、耳鼻咽喉科系:開業医(99床以下)100名、専門医(100床以上)100名)、患者は鼻閉症状のあるアレルギー性鼻炎で通院している患者1,000名(16~19歳、20代、30代、40代、50代の男女各100名)。調査は医師が5月11日~15日、患者が4月13日~19日(スギ花粉飛散期直後)にインターネット調査により実施しました。
その結果、医師調査においては、アレルギー性鼻炎患者の約8割(78%)が何らかの鼻閉症状を有することが明らかになりました。また、患者調査では、9割強(92.9%)の患者が鼻閉症状のため日常生活への支障を来し「困っている」としながら、その症状について自ら医師に伝えていない患者が約4割(36.2%)で、また現状の治療法では鼻閉症状が緩和されていないとする患者も約8割(78.0%)にのぼることが分かりました。
アレルギー性鼻炎は、有病率が全国民の30%を超え、今や国民病といわれる疾患です。生死に関わる症状ではないものの、患者の生活の質(QOL)を大きく損ない、労働生産性にも多大の影響を及ぼすことが問題視されています。アレルギー性鼻炎の3大症状は、くしゃみ、鼻汁、鼻閉ですが、なかでも鼻閉は非常に辛い症状でありながら、患者自身が治療の必要性に気付いていなかったり、現在の治療に満足していなかったりする実態が明らかになりました。
本調査を監修した医療法人財団順和会山王病院耳鼻咽喉科倉島一浩医師は次の通り述べています。
今回の患者調査により、鼻閉症状のメカニズムに対する患者の認知度や理解度は、くしゃみ・鼻汁よりも低いことが明らかになりました。これが服薬コンプライアンスの維持を難しいものにしているといえます。治療においても、約4割の患者が自ら鼻閉症状について医師に伝えていない現状が判明しましたが、この背景には、過去の経験から治療に期待を持たなくなったことや、治療に対する不信感や諦め感があると考えられます。さらに、『医師の治療』と『患者の治療に対する期待』とのギャップが生じていることも考えられ、医師による患者ニーズの聞き取りが十分に行われているとは言い難い現状が浮き彫りになりました。鼻閉治療効果の向上のためには、医師が患者に対して積極的に聞き取りを行い、患者の満足度を向上させる治療に取り組むことが重要になると考えられます。
http://www.sanofi.co.jp/l/jp/ja/index.jsp