医薬品等の誤飲防止対策の徹底で通知 厚生労働省
厚生労働省は、1月4日付で、各都道府県・保健所設置市・特別区の衛生主管部(局)長宛に、「医薬品等の誤飲防止対策の徹底について-医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼」の通知を発しました。同時に、日本医師会や日本薬剤師会など関係団体にも通知について連絡しています。
また、独立行政法人医薬品医療機器総合機構は、1月9日、医薬品関連情報として、「医療安全情報」の「医薬品・医療機器に関連する医療安全対策」にこの通知を掲載しました。
なお、厚生労働省は、日本製薬団体連合会、日本OTC医薬品協会、日本包装技術協会の各会長宛にも「報告書においては、家族又は親族に処方された医薬品等の小児による誤飲事例が多いことが指摘されており、小児が開封しにくいチャイルドレジスタンス容器の採用は誤飲を防ぐために有効であるとして、事業者等は小児のいたずらや誤使用により事故が生じないような対策を施した製品開発に努めることが重要であると指摘されています。貴会におかれては、小児による医薬品等の誤飲防止等、医薬品の安全性の向上のためのご検討方よろしくお願いいたします」と通知しています。
都道府県などに対する通知の要旨は次の通りです。
今般、「平成23年度家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」(平成24年12月27日付厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室報告書)が公表され、特に小児の誤飲事故に関する報告において、医薬品・医薬部外品の誤飲による要処置事例、入院事例が多く報告されています。なかでも医療用医薬品については、家族や親族に処方された医薬品を誤飲している事例が多いとされています。
誤飲事故を起こした年齢についてみると、特に自ら包装をあけて薬を取り出せるようになる1~2歳児にかけて多くみられるとされ、医薬品がテーブルや棚の上に放置されていた等、保管を適切に行っていなかった時や、保護者が目を話した隙に小児の誤飲事故が多く発生しています。また、甘い味のついた口腔内崩壊錠の大量誤飲事例が報告されているとともに、シロップ等、小児が飲みやすいように味付けしてあるものは、小児がおいしいものとして認識し、冷蔵庫に入れておいても自ら取り出して誤飲する例も珍しくないと報告されています。
つきましては、医薬品の誤飲事故、特に小児による医薬品の誤飲を防ぐため、下記の留意事項について、貴管下の医療機関及び薬局等への周知方よろしくお願いします。
記
1.患者の家族等、特に小児による誤飲が生じないように、処方または調剤にあたっては、医薬品を小児の手の届かない場所に保管するなど、適切な保管及び管理をするよう、患者及び家族等に十分注意喚起すること。
2.高齢者等自ら医薬品の保管・管理が困難と思われる患者に対しては、家族等介護者に対して注意喚起を行うこと。