阪大微生物病研究会が新型インフルエンザワクチン開発・生産の開発方針変更
一般財団法人阪大微生物病研究会は、11月22日、三井辧雄厚生労働大臣に対して、「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業における開発方針の変更」について文書を提出するとともに、27日にホームページで発表しました。
これは、助成金対象事業に関して、技術的及び経済的な問題、つまり(1)ワクチンの供給能力、(2)薬事申請及び施設の稼動の問題、(3)安全性の問題、により、「本事業を遂行し、助成金交付の目的を達成することは、現時点では非常に困難である」とし、「本事業における製剤の開発方針を変更し、別の方法で新型インフルエンザワクチンの開発を行わさせていただきたい」としています。
文書の冒頭で次のように書かれています。
新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業(細胞培養法・第2次事業)については、平成23年9月7日付で一般社団法人未承認薬等開発支援センターに提出した「細胞培養法ワクチン実生産施設整備等推進事業実施計画書」に基づき、本事業を遂行し、助成金交付の目的を達成できるよう、実生産施設の整備及び臨床試験等の実施について邁進してきたところです。
しかしながら、今般、平成24年2月から5月にかけて弊会が実施しました第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験の結果を検証し、課題の解決のために検討を重ねてまいりましたが、弊会における技術的及び経済的な問題等により、現状の製剤を用いて助成金交付の目的を達成することは、現時点では非常に困難であるとの考えにいたりました。
つきましては、本事業の目的が達成できないことから、交付を受けた助成金は全額返還させていただき、本事業における製剤の開発方針を変更し、新型インフルエンザワクチンの開発を行いたいと考えます。
弊会といたしましても、新型インフルエンザワクチンの開発は、単に感染症の防御のみならず、国の社会的・経済的安定のために早急かつ重大な課題であると認識しており、今後とも弊会独自の負担により新型インフルエンザワクチンの開発を続け、インフルエンザ感染症対策に貢献できるよう努めて参る所存でございます。