日本ベーリンガーが薬剤師対象に副作用チェックに関するスマホ用アプリ無償提供
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は、11月16日、患者さんを副作用から守るために開発されたスマートフォン用アプリケーション「副作用シグナルCHECKER」を、薬剤師を対象に同日より無償提供することを発表しました。
このアプリは、副作用が可能な限り早期に発見され、その後の適切な対応へつなげるための支援ツールとして、日本ベーリンガーインゲルハイムとBIファーマシストアワード2012年準グランプリを受賞された山口大学医学部附属病院薬剤部および株式会社プラスアールが共同開発したものです。
患者さんの副作用を効率的に確認
「副作用シグナルCHECKER」は、患者さんの自覚症状を「皮膚の症状」「目の症状」など8項目に分類して問う形式で、薬局を訪れる患者さんの副作用シグナルを効率的に検出できるよう考案されたものです。「副作用シグナルCHECKER」による確認結果は、CSVファイルを電子メールで送信することができ、何らかの副作用シグナルが検出された場合には薬局と病院が迅速に情報を共有することが可能になります。
「副作用チェックシート」から「副作用シグナルCHECKER」へ
「副作用シグナルCHECER」は、山口大学医学部附属病院薬剤部長の古川裕之教授が2011年に考案した「副作用チェックシート」を元に開発されたものです。古川教授は、この副作用チェックシートを用いた地域の「薬‐薬連携」(病院と薬局の薬剤師が情報を共有し、充実した医療を目指す連携)のシステムを構築し、その功績により「BIファーマシストアワード2012」の準グランプリを受賞されました。
山口大学医学部附属病院では、このシステムを2011年4月より運用開始し、システム運用から12ヵ月間で報告を受けた副作用シグナルが1,188件、そのうち処方医に連絡を行ったのは93件で、全体の約7.8%でした。同病院では運用開始から3ヵ月毎に保険薬局との意見交換を行い、システムの改善を続けてきました。
今回のアプリ無償提供を受け、古川教授は以下のようにコメントしています。
勤務先の大学病院と地域の保険薬局との連携のために考案したチェックシートが、こうして全国の患者さんを守るために役立てられることを大変嬉しく思います。今後も、薬‐薬連携により、薬剤師の重要な使命のひとつである副作用の早期発見と拡大防止に努めていきたいと思います。
「副作用シグナルCHECKER」]の取得方法
「副作用シグナルCHECKER」は、ベーリンガーインゲルハイムのウェブサイトにアクセスし、ナビゲート先のApple StoreおよびGoogle Play Storeの該当ページからダウンロードできます。(情報提供者は薬剤師をはじめとする医療関係者のみ)
※ BIファーマシストアワード:日々の薬剤師業務を通じて医薬品の適正使用や薬物治療に貢献する優れた取り組みを表彰するため、日本ベーリンガーインゲルハイムが2010年4月に創設した賞。第2回目となる「BIファーマシストアワード2012」は、「薬剤師による医療連携の実践」をテーマに、薬剤師の取り組み・研究を広く募集しました。また、現在「BIファーマシストアワード2013」を募集中です。(テーマは「さらなるチーム医療の実践」、応募締切は12月20日)
http://www.boehringer-ingelheim.jp/