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くすりと製薬産業に関する生活者意識調査 日本製薬工業協会が実施

日本製薬工業協会は、118日、「刊行物(資料室)」に「第7回くすりと製薬産業に関する生活者意識調査報告書」を掲載しました。

日本製薬工業協会(製薬協)は、研究開発志向型の製薬会社70(201210月現在)が加盟する任意団体で、患者さんにとって価値ある画期的な新薬の研究開発を通じて、世界の医療に貢献していくよう取り組んでいますが、広報委員会では、一般生活者を対象として、くすりや製薬産業に対する意識調査を行っています。本年度の調査は、1996年実施の第1回から数えて第7回目の調査となります。

 

調査は「医療養医薬品や製薬産業(会社)に対する患者・生活者の理解や認識の実態を把握し、医薬品や製薬産業に対する信頼感を高めるための広報活動の基礎資料とする」ことを目的に、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)と京阪神圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)の満20歳以上の男女2,000人を対象に、インターネット調査により622~25日に実施しました。

調査参加者数は3,199人(首都圏2,197人・68.7%、京阪神1,002人・31.3%)、回収サンプル数は2,000件(首都圏1,388件・69.4%、京阪神612件・30.6%、性別は男性48.2%、女性51.9%)です。

調査結果の概要は次の通りで、詳細は製薬協ホームページの「刊行物(資料室)」で見ることができます。

 

<処方薬の情報とイメージ>

     医療関係者から処方薬についての説明を受けた人の割合は前回から横ばい。

説明満足度は減少:説明実施率93.1%(0.4ポイント減)、説明満足度90.6%(3.5ポイント減)

     副作用経験率、副作用関心度ともに前回と変化はない

副作用経験率38.1%(0.1ポイント減)、副作用関心度57.5%(0.2ポイント減)

     処方された薬のメーカー名の認知意向率は横ばいで推移、認知率は時系列で増加傾向。

認知意向率31.5%(1.1ポイント減)

認知率:「全て知っている」+「大体知っている」20.3%(0.8ポイント増)、「全く知らない」35.7%(1.5ポイント減)

     入手したい処方薬情報上位は「薬の効能・効果」「薬の副作用」「薬の種類・成分・特長」

医療関係者からの説明上位は「薬の服用方法」「薬の効能・効果」「薬の種類・成分・特長」

患者側の情報ニーズとのギャップが大きいのは「「薬の副作用」「薬の飲み合わせの注意」

     処方薬の情報源は「インターネット」が多い(47.2%)

インターネット調査を開始した前回調査(47.5%)と比較して同程度であった。

     「新薬」「ジェネリック医薬品」の認知90.5%(0.3ポイント増)

選択意向:「ジェネリック医薬品」46.7%(3.6ポイント増)、「医師に任せる」38.3%(3.6ポイント減)、「新薬」7.9%(0.8ポイント増)

選択理由:「新薬」は品質77.7%、信頼76.2%、「ジェネリック医薬品」は価格93.0%

     処方薬への信頼層は89.0%、時系列では08年から僅かに減少傾向にある。「安心」「よく効く」などのイメージで支持が高い。

処方薬への信頼感89.0%(2.0ポイント減)

処方薬のイメージ:「医師が処方してくれるので安心」91.5%(1.3ポイント減)、「市販の薬よりもよく効く」88.7%(0.2ポイント増)

 

<製薬産業のイメージと期待>

     製薬産業への信頼度は、時系列でみて堅調に伸ばしてきたが、今回はやや減少。

製薬産業のイメージは、社会的必要性、技術力、研究開発への熱心さなどに対する高評価を維持している。一方で、自然環境への取り組み、消費者の声を聞く、情報公開などの評価は低イメージであるが、今回調査では評価が上昇している。

製薬産業に対する信頼感85.6%(2.5ポイント減)

イメージ上位:「社会的に必要性が高い産業」93.5%(1.2ポイント減)、「技術力が高い産業」93.0%(0.4ポイント増)、「研究開発に熱心な産業」87.5%(0.6ポイント減)

評価上昇の大きいイメージ:「子供を就職させたい産業」48.2%(4.6ポイント増)、「経営がしっかりしている産業」69.4%(4.1ポイント増)、「消費者の声を聞こうとしている産業」38.3%(3.4ポイント増)

     製薬産業を知る情報源として以下の3つが多い。

「インターネット(ウェブサイト)で」37.3%、「テレビ、ラジオのニュースや番組で」36.6%、「新聞記事で」34.0%

     製薬産業からの情報入手意向は74.3%(1.8ポイント減)

     新薬開発について

「長い年月や莫大な費用をかけても新薬開発は必要」という考え方を肯定する人は92.6%(2.9ポイント増)、「製薬会社は新薬開発について内容を知らせるべき」は85.0%(4.6ポイント増)、「欧米等で進んでいるので、日本がやることはない」に対しては82.8%(5.8ポイント減)が否定している。

     「治験」について、「ある程度知っている」「治験という言葉は知っている」の双方を合せた認知層の割合は86.4%(0.3ポイント減)で前回から変化はない。

     「治験」に対する考え方では、「新薬開発にとって必要不可欠である」が63.0%(2.1ポイント減)で最も多く、次いで「開発中の薬を投与するので不安がある」38.4%(2.0ポイント減)、「医療機関や製薬会社から治験に関する情報がもっとあるとよい」37.0%(3.6ポイント減)と続く。

また、「治験に関心を持っている」は26.8%(1.7ポイント減)である。

     「治験」への参加意向は40.0%(1.1ポイント増)

参加してもよいと思う理由は、「社会の役に立つ」61.8%(3.6ポイント増)、「新しい薬を試すことができる」49.4%(4.7ポイント減)

     製薬産業、製薬会社への期待点としては、「よく効く・早く効く薬の開発」「安全な、副作用の少ない薬の開発」「新薬の開発/さらなる研究開発」「情報開示」「薬価の引き下げ」などが上位である。

     作ってほしい薬では、「がんに効く薬」が多い。大きく離れて、他に「認知症・アルツハイマー」「難病」などが上位にあげられた。

 

http://www.jpma.or.jp/
2012/11/09(金) 13:05