日本医療機能評価機構が薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業23年版公表
公益財団法人日本医療機能評価機構は、10月24日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の、平成23年年報及び第7回集計報告を公表しました。
平成23年年報は、平成23年に公表した報告書を取りまとめたもので、ヒヤリ・ハット事例の集計結果や8つのテーマ(名称類似、薬効類似、ハイリスク薬、疑義照会、「共有すべき事例」の再発・類似事例、規格・剤形間違い、包装、個別薬剤:精神神経用剤)を取り上げた分析などを掲載しています。
平成23年の事業参加薬局数は6,037薬局で、都道府県別事業参加薬局数は、北海道463、福岡県422、大阪府382、神奈川県371、東京都349、山口県343、兵庫県270、新潟県211、愛知県187、静岡県169の順です。
報告件数は、事業参加薬局数6,055薬局で、このうち報告のあった薬局数は726薬局、公表件数は8,082件です。
処方せん応需回数別では、501~1000回が1,534薬局1,032件、1001~1500回が1,414薬局1,102件、1501~2000回が1,032薬局1235件、2001~2500回が499薬局1,373件。医療用医薬品取扱品目数別では、501~1000品目が3,318薬局2,242件、1001~1500品目が1,558薬局2,957件、1501~2000品目が519薬局2,642件。
報告された8,082件のうち、実際に薬を患者に交付した「実施あり」の事例は25.5%(2,060件)。そのうち、その後、患者が「軽微な治療」を要した事例が1.4%(115件)。前年と比較すると、「実施あり」は15.5%から25.5%に増加。事例の概要別報告は、「調剤」に関するものが92.4%(7,471件)。また、医師へ「疑義照会」を行った事例は7.4%(601件)。前年と比較し「疑義照会」の事例が増加(5.1%→7.4%)。
調剤に関する項目について、事例内容別では、前年同様「数量間違い」(2,311件)が最も多く、「規格・剤形間違い」(1,018件)、「薬剤取違え」(871件)が多く、また「その他(調剤)」として報告された事例では、レセプト用コンピュータの入力間違いに関する事例が多い。
仮に変更前の処方通りに服用した場合の影響については、「患者に健康被害があったと推測される」事例が51.4%(309例)。疑義があると判断した理由は「当該処方せんと薬局で管理している情報で判断」した事例は45.9%(276例)であり、「当該処方せんのみで判断」した事例32.9%(197例)よりも多い。前年は、「当該処方せんのみで判断」した事例46.3%(304例)の方が「当該処方せんと薬局で管理している情報で判断」した事例29.6%(194件)よりも多い。変更内容では、「薬剤変更」が30.3%(182件)と最も多く、次に「薬剤削除」が21.1%(127件)と多い。前年は2番目に多かった「分量変更」が減少(15.9%→12.0%)し、「薬剤削除」が増加(14.6%→21.1%)しています。
第7回集計報告は、平成24年1月~6月のデータで、事業参加薬局数は6,767薬局で、新規事業参加薬局数(カッコ内は登録取下げ薬局数)は、1月155(2)、2月125(1)、3月124(1)、4月121(0)、5月104(1)、6月106(0)となっています。都道府県別事業参加薬局数は、北海道479、神奈川県455、福岡県443、大阪府420、山口県401、東京都376、兵庫県286、新潟県213、愛知県202、宮城県194の順です。
報告件数は、事業参加薬局数6,772薬局で、このうち報告のあった薬局数は427薬局、公表件数は3,907件、月別では1月743件、2月644件、3月743件、4月536件、5月541件、6月700件です。