最優秀企業賞に森下仁丹 大阪ものづくり優良企業賞2012
大阪府では、「高度な技術力」や「高品質・低コスト・短納期(QCD)」などを誇る府内の優れた「ものづくり中小企業」を公募し、"大阪ものづくり優良企業賞"として顕彰していますが、"大阪ものづくり優良企業賞2012"の受賞企業70社が決定、10月18日に発表しました。
同賞は今回5回目で、受賞企業は、最優秀企業賞1社(森下仁丹)、技術力部門賞1社、特別賞2社、夢・未来・TRI賞(地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所理事長賞)1社、優良企業賞65社で、表彰式は平成25年1月に開催する予定です。なお、受賞企業は、今後、大阪のものづくり力を広く内外にプロモーションする冊子「大阪の元気!ものづくり企業(平成25年版)」への掲載や「匠」のロゴマークの使用権等を一定期間付与するなど、「ものづくりのまち大阪」の看板企業として広く紹介していきます。
最優秀賞は、「大学や研究機関と連携して技術の高度化に取り組み、既存の分野から新しいものづくり分野への展開が期待される1社」として選ばれました。
森下仁丹への講評は次の通りです。
同社は、1893年(明治26年)創業の120周年を迎える老舗企業である。1905年発売の懐中薬「仁丹」を発売以来、銀粒仁丹や仁丹体温計など、医薬品・医薬部外品、医療機器を提供してきた。銀粒仁丹の製造から派生したビーズ状のシームレスカプセル製造技術は、真球状で30μmの薄膜であることから、同社品以外の医薬品・健康食品などにも広く活用されている。従来技術では不可能であった水溶性物質や粉末のカプセル化が可能となり、食品や医薬品への応用が拡大した。
現在シームレスカプセルの多層化の実用化も進んでいるが、多層構造のシームレスカプセルの製造は現在同社のみが可能である。更に、合成樹脂を皮膜としてカプセル化することも成功し、産官学共同研究により、微生物を使ったレアメタルの回収など、今後産業分野への展開も可能となった。
伝統ある製品を製造するために蓄積された技術から、新たな要素技術が生まれ、更なる技術革新により新規市場を開拓した点などが高く評価され、今回の受賞となった。
【中小企業基本法による中小企業の定義】
製造業:資本金3億円以下又は従業員300人以下