一般用医薬品販売実態調査結果を公表 日本薬剤師会
日本薬剤師会は、7月19日、平成23年度一般用医薬品販売等に関する実態調査結果を公表しました。
日本薬剤師会では、昨年8月、セルフメディケーション・サポート薬局登録者を対象に、平成21年6月の改正薬事法施行の前後で、薬局における一般用医薬品販売にどのような変化があったかを調査しました。
調査結果から、「薬剤師しか扱えないことや、他店との差別化、薬局・薬剤師としての責務から第1類医薬品の在庫数を増加させている薬局が前回調査以上に増えている」、「消費者の認知度の向上や新製品の登場から、第1類医薬品の販売高は増加傾向を示した」などが読み取れると考えています。
また、今回重点的に実施した「相談応需事例」については、「現在使用中の一般用医薬品の使用中止を進言した事例」、「一般用医薬品の販売を行わなかった事例」、「医療機関への受診を勧めた事例」、「製品名や成分を指名してきたが、相談応需の後に変更した事例」ともに、多数の事例が報告され、薬剤師が国民のセルフメディケーションに貢献している姿が見えたと考えています。
日本薬剤師会では、本調査結果は、薬局での一般用医薬品の販売をより円滑に実施するための基礎資料として活用します。
調査は日本薬剤師会一般用医薬品委員会が担当して実施、期間は平成23年8月、調査依頼薬局数は970薬局、回答薬局数は618薬局(回収率63.7%)でした。
調査結果は、「薬局票」と「事例調査票」に分けてまとめられていますが、「薬局票」については、薬局の概況として、①薬局の従業者数、②一般用医薬品販売の売上は、調剤+一般用医薬品販売の売上の何%程度か、③一般用医薬品の取扱品目数、④改正薬事法前後の取扱品目数の変化、一般用医薬品等の販売の状況として、⑤改正薬事法施行前後での一般用医薬品の販売高の変化及びその理由、⑥「販売責任シール」といった「誰がいつ販売したか」などについて明らかにするための取り組み及び消費者の反応が調査されています。
この中で、「一般用医薬品販売の売上は、調剤+一般用医薬品販売の売上の何%程度か」については、10%未満が37.3%、10~40%未満が37.9%。「一般用医薬品の取扱品目数」は、101~300品目が23.5%、501~1000品目が23.0%、1001~3000品目が13.6%。「改正薬事法施行前後での一般用医薬品の販売高の変化」については、販売高が伸びた薬局は第1類医薬品が34.1%、第2類医薬品は4.7%、第3類医薬品は3.1%、販売高が減った薬局は第1類医薬品が14.4%、第2類医薬品は31.6%、第3類医薬品は34.0%。「販売責任シール」といった「誰がいつ販売したか」などについて明らかにするための取り組みについては、既に実施している薬局が18.6%、検討中は33%です。
なお、事例調査においては、薬局票を返送(回答)してきた618薬局のうち、433薬局から1192事例が収集でき、そのうちの1184事例が有効回答でした。