厚生労働省がジェネリック医薬品使用促進の先進事例等調査報告書
厚生労働省は、5月31日、「ジェネリック医薬品使用促進の先進事例等に関する調査報告書」(平成23年度調査)を発表しました。
厚生労働省では、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進に先進的に取り組んでいる都道府県や医療機関などを対象に、促進策の内容や成果などに関するインタビュー調査を実施し、平成23年度の調査報告書としてまとめました。
この調査は、ジェネリック医薬品の普及のため、参考となる先進事例を都道府県の担当者や医療機関などに情報提供することと、ジェネリック医薬品に関する医療関係者の問題意識や課題といった"生の声"を収集することを目的としています。
平成23年度調査の対象は、秋田県、兵庫県、山口県、鹿児島県、沖縄県の5県で、報告書の取りまとめは平成22年度調査に続いて2回目となります。
調査は、2つの目的-①都道府県担当者や医療機関・保険薬局などの関係者等において、ジェネリック医薬品使用促進のための取組を検討する上で参考となる先進事例の収集とその情報提供、②医療関係者における問題意識・課題といった"生の声"の収集と国・都道府県に対する情報提供-から、ジェネリック医薬品の使用促進に先進的に取り組んでいる都道府県や医療関係者を中心にインタビュー調査を行い、その結果を事例集(報告書)として取りまとめました。
平成22年度においても同様の目的から調査を実施し、『ジェネリック医薬品使用促進の先進事例等に関する調査報告書』を取りまとめていますが、23年度調査では、ジェネリック医薬品使用促進において先進的な取り組みを行っている都道府県のほか、「後発医薬品採用ノウハウ普及事業」に取り組んでいる都道府県、並びに協議会等は設置していないもののジェネリック医薬品使用が進んでいる都道府県を対象に加えています。
調査では、都道府県担当者及び当該都道府県の医療関係者等を対象に、それぞれ個別にインタビューしました。
対象選定に際しては、まず、①協議会等を設置し、ジェネリック医薬品の使用促進に向けた取組を積極的に実施している都道府県、②「後発医薬品採用ノウハウ普及事業」に取り組んでいる都道府県、③ジェネリック医薬品の使用割合が高い都道府県を事例候補とし、地域的なバランスや特色も考慮して選定しました。次に、選定した都道府県に所在する医師会、薬剤師会、卸売業関係団体、保険者等の関係団体についても調査対象としました。
さらに、選定した都道府県に所在する医療機関・保険薬局の中から、ジェネリック医薬品に積極的に取り組んでいる医療機関・保険薬局を事例候補として選定しました。医療機関・保険薬局の選定に際しては、当該地域における関係者からの推薦や日本ジェネリック医薬品学会ホームページ『かんじゃさんの薬箱』、その他各種文献等を参考にしました。医療機関については、公的医療機関と民間医療機関とのバランスも考慮しています。
調査報告書は、「調査の概要」と「事例の概要」で構成され、事例から得られた示唆として、次の項目が挙げられています。
(1)協議会等の設置・運営について
①都道府県における協議会等設置の意義
②協議会等の設置・運営上のポイント
(2)医療機関・保険薬局におけるジェネリック医薬品使用促進のポイント
①医療機関におけるジェネリック医薬品使用促進のポイント
②保険薬局におけるジェネリック医薬品使用促進のポイント
(3)ジェネリック医薬品使用促進上の課題等
①ジェネリック医薬品メーカーによる一層の努力
②卸売業者に求められる情報提供
③地域中核病院に求められる地域全体でのジェネリック医薬品使用促進の取組
④一般名処方に向けた課題等
⑤保険薬局における在庫負担の軽減等
⑥保険者による差額通知事業における工夫
⑦患者への普及啓発活動等
⑧その他の課題等