費用対効果検討を導入 中医協弟223回総会で協議
中央社会保険医療協議会の第223回総会は、4月11日に開催され、新規検討項目の今後の議論の進め方や平成24年度診療報酬改定の結果の検証、医薬品の薬価収載、新医薬品の処方日数制限、在宅自己注射などについて協議しました。
新規検討項目の今後の議論の進め方に関しては、医療技術(薬剤、材料を含む)詳細における費用対効果導入の検討が示され、(1)評価の枠組みの検討、(2)具体的な技術評価モデルによる試行的導入の検討を実施、中医協に新たな部会を設置し、診療報酬、薬価、保険医療材料の評価等における費用対効果の導入のあり方を検討すること、委員は基本問題小委員会、薬価専門部会、保険医療材料専門部会の構成委員から選出するとともに、費用対効果分析の学識経験者が参考人として参加することとしています。
検討スケジュールは、4月中を目途に議論を開始し、平成24年度中に(1)評価の枠組みについて検討、平成25年度以降、(2)具体的な技術評価モデルによる試行的導入の検討を行い、その結論を踏まえ、平成26年度以降、保険導入や診療報酬上取扱いについて更なる検討を継続する予定です。
また、長期収載品の薬価のあり方、基本診療料のあり方、診療報酬における消費税の取扱いについて検討することとしており、長期収載品の薬価のあり方の検討については、○先発医薬品と後発医薬品の価格差要因、○諸外国における後発医薬品促進策と使用実態などの情報をもとに、医薬品のライフサイクルの中での長期収載品の価格について主に検討。後発医薬品の新たな目標等については、その議論の一環として副次的に検討することとしています。
今後、薬価専門部会に、必要に応じ、○国内外の医薬品事情等に詳しい学識経験者、○後発医薬品関係の業界関係者など外部有識者に複数名参加してもらい議論を行うこととし、検討スケジュールとしては、6月を目途に第1回目の議論開始を目指し、長期収載品の薬価のあり方については、平成24年度後半に大きな方向性について取りまとめ、詳細なルール等は薬価制度改革として平成25年度末に最終化。後発医薬品使用促進の新たな目標等については平成24年度中に一通りの議論を終え、その検討内容を医療保険部会等に報告し、その後の議論につながる予定です。
一方、平成24年度診療報酬改定の結果の検証にかかる特別調査は、平成24年度実施分の調査スケジュールについては、4月から検討を開始し、「後発医薬品の使用状況調査」は、調査結果を平成25年度後発医薬品推進計画策定の資料として使用することから、平成24年12月までに速報値を公表する必要があるため、他の調査より前倒しで調査を実施します。9月から「後発医薬品の使用状況調査」の調査を開始、11月から「後発医薬品の使用状況調査」以外の調査を開始し、12月上旬の総会で「後発医薬品の使用状況調査」に係る報告書(速報版)について報告、3月までに総会で「後発医薬品の使用状況調査」以外の調査に係る報告書(速報版)について報告する予定です。
検証項目案は、重点課題である(1)急性期医療の適切な提供に向けた病院勤務医等の負担の大きな医療従事者の負担軽減、(2)医療と介護の役割分担の明確化と地域における連携体制の強化の推進及び地域生活を支える在宅医療等の充実。4つの視点として(1)充実が求められる分野を適切に評価していく視点、(2)患者から見て判りやすく納得でき、安心・安全で、生活の室にも配慮した医療を実現する視点、(3)医療機能の分化と連携等を通じて、質が高く効率的な医療を実現する視点、(4)効率化余地があると思われる領域を適正化する視点が挙げられています。