matsuda's blog

TPP参加で反対の見解を発表 日本医師会

日本医師会は、314日の記者会見で、「TPP交渉参加についての日本医師会の見解‐最近の情勢を踏まえて‐」を発表しました。

 

TPP交渉参加に対する日本医師会の見解>

日本医師会はこれまで、政府が、TPPにおいて日本の公的医療保険制度を除外することを明言するよう求めてきた。しかしこのことについて政府からいまだ明確な回答はない。それどころか、日本医師会の懸念がますます強まっていることから、日本医師会は、あらためてTPP交渉参加に反対の立場を明確にすることとした。

最近の情勢

1.与党内でもTPP参加によって日本の公的医療保険が揺らぐという認識が強まっており、日本医師会の危機感が杞憂でないことが認められている。

2.野田総理大臣は総論で国民皆保険を守るとしているが、各論では迷いが見られる。

3.政府は、TPPの地方説明会(地域シンポジウム)を、必ずしも情報が十分でない中、節足ともいえるスピードで進めており、このままでは見切り発車されるおそれが出てきている。

 

 <なぜTPPそのものに反対か>

 日本医師会はこれまで、貿易の枠組みにまで意見する立場にないとの判断から、TPPという協定の枠組みそのものを否定しているわけではないと述べてきた。しかし、これまでの米国の要求、米韓FTA等の事例、TPP参加国の識者による意見等を踏まえ、日本医師会は、日本のTPP参加について全面的に反対する。

 最近の分析

 1.TPP協定交渉では、多くの分野で分野別議論が進んでいるとの情報がある。総論的に公的医療保険を俎上に上げないということになっても、金融サービスで公的医療保険に対する民間保険の参入、投資分野で株式会社の参入、知的財産分野で薬価や医療技術等が対象にならない確証はない。個別分野の規制改革が、蟻の一穴になるおそれがあることから、全体的にTPPを否定する必要がある。

 2.政府は、TPPは多国間交渉であり、米国の要求がそのまま通るわけではないとの見方である。しかし、そういった見方について、TPP参加交渉国から、さらには米国の識者からも楽観的であるとの指摘がある。日本医師会も、これまでに米国が行なってきた日本への市場化要求を再確認し、TPPで門戸を広げてはならないと判断した。

 

http://www.med.or.jp/

2012/03/16(金) 15:12