新病院整備事業を計上 堺市の24年度当初予算案
堺市は、2月13日、平成24年度当初予算案を発表しました。この中には、市立堺病院の新病院整備事業が組み込まれています。
政令指定都市である堺市では、急速な高齢化の進展による疾病構造の変化等を背景に、救急患者搬送が増加しているものの、重症患者を受け入れるための三次救急医療施設が堺市域に設置されておらず、市外への搬送が余儀なくされている状況にあります。
そのため、市民の健康と命を守るために、救命救急センターと一体となる、急性期医療、高度専門医療を提供する新病院事業を推進するものです。
新病院整備事業は、平成22年度~26年度で、現病院機能を移転し、救命救急センターを含む新病院を整備するもので、事業概要・目的は、三次救急医療を担う救命救急センターや、救急活動の拠点である救急ワークステーション、小児急病診療施設などを併設し、救急医療・高度専門医療・小児医療・感染症病棟・災害時医療などの機能を一体的に提供できる、地域の救急医療の核となる新病院を整備します。また、地域医療機関との医療連携・役割分担を推進しながら、適切な医療を提供できる救急医療体制の構築を図ります。
事業実施主体は、本年4月1日設立予定の地方独立行政法人堺市立病院機構で、24年度当初予算案には実施設計・建設工事(平成26年度竣工予定)として1,129,000千円(地方独立行政法人堺市立病院機構への貸付金)が計上されています。
また、新病院と同じ敷地に急病診療施設の整備を行い、休日・夜間等の診療体制の確保などにより救急医療体制の充実を図ります。
事業概要・目的は、新病院と同一敷地に整備する小児急病診療施設の実施設計及び建設工事に係る経費を負担し、新病院と一体整備を行います。また、休日・夜間等の医療機能の低下する時間帯での急病患者の診療及び入院治療等が必要な重症患者の医療を確保するため、救急告示病院間の連携を図るとともに、重症患者の救急搬送について、受入体制の強化など、救急医療体制を確保します。24年度当初予算案は447,624千円となっています。
新病院の基本設計は1月20日に発表されましたが、建設予定地は堺市西区家原寺町1丁ほか(最寄り駅はJR阪和線津久野駅)で、敷地面積は約19,690㎡、病床数は487床(一般病床450床、救命救急センター病床30床、感染症病棟7床)、建築面積は約9,000㎡(新病院約7,600㎡、急病診療センター約1,400㎡)、延床面積は約43,000㎡(新病院約41,000㎡、急病診療センター約2,000㎡)、診療科は22科(救急科、心臓血管外科を新設)の9階建てとなっています。本年4月に着工、平成26年度に竣工の予定です。建設費は約116億円(急病診療センター建設費を含む)となっています。