平成24年度診療報酬・調剤報酬改定答申で見解 日本薬剤師会
日本薬剤師会は、2月10日、「平成24年度診療報酬・調剤報酬改定に関する答申」について見解を表明しました。
見解は、「トータルで0.004%という若干のプラス改定ではありますが、厳しい財政状況の下でマイナス改定が避けられたことは一定の評価をすべきものと考えます」として次の通り表明しています。
今回改定された調剤報酬点数においては、後発医薬品の普及促進に関する政府目標(平成24年度までに数量ベースで30%以上)の達成に向けて、後発医薬品調剤体制加算の見直しが行われ、評価基準がさらに引き上げられました。この見直しに込められた最も重要な意味は、今後もより一層、薬局・薬剤師による後発医薬品の使用促進に向けた積極的な取り組みが期待されているものと受け止めています。
また、お薬手帳を利用した患者への薬剤情報提供については、東日本大震災の被災地での活用実績などを踏まえ、全年齢層におけるお薬手帳の普及を目指して、薬剤服用歴管理指導料との一体的な評価へと発展的に廃止・統合されました。さらに、在宅医療の推進に向けた対応については、在宅薬剤管理の実績評価や小規模薬局間による連携体制の整備などが図られています。これは、薬局薬剤師が「かかりつけ機能」をより一層発揮して、地域医療提供体制の中で貢献していくことが求められているということに他なりません。
一方、今回新たに導入されることとなった薬剤師の病棟業務に係る評価については、療養病棟や精神病棟に対しては限定的評価となったものの、これまで薬剤師が行ってきた病棟での業務が評価されたという点で、今後目指していくべき業務を考える上で、医療機関に従事するすべての薬剤師にとって大きな節目になったと言えるでしょう。
しかしながら、議論の過程においては、医薬分業の在り方などに対して厳しいご指摘を受けたことも事実です。今後はこれらのご指摘を真摯に受け止めるとともに、医療の一翼を担う薬剤師という専門職として、患者・国民から寄せられた期待に適切に応えられるよう、その在るべき姿などを含め検討していくことが喫緊の課題であると受け止めております。
今後もより一層、安全・安心な薬物治療の推進と医療提供体制を支えるチーム医療の一員という立場から、薬剤師としての役割を積極的に果たし、国民からの期待に応えるべく努力していく所存です。